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2022 17 Mar

「アレキサンダー マックイーン」が2022秋冬コレクションを発表


 「アレキサンダー マックイーン(Alexander MCQUEEN)」が2022秋冬コレクションをニューヨークで発表した。1996年のショー“Dante”、その後1999秋冬のショー“Eye”をニューヨークで発表した同ブランドにとって、この街はコミュニティの一部であり、いつも歓迎してくれるあたたかい場所。サラ・バートンは今シーズンのコレクションでそんな「コミュニティ」に敬意を表し、どんな場所でも様々につながり、深い相互接続の力を持って互いに助け合う、人と人との連携やコミュニティのメタファーとして“Mycelium(菌糸)”をテーマとした。
 

 

 そんなイメージは、大きなマッシュルームモチーフのセーターや、菌胞子モチーフをプリントしたダブルテーラードスーツ、ジャガードで菌胞子を表現したニットドレス、クリスタルやビーズ、スパンコールを用いマッシュルームと菌糸モチーフを刺繍したドレスなどで表現。これらのセーターやドレスには長い糸が躍るようなフリンジなど菌糸を連想させるディテールも。

 
 


 ドレスやスカートには長さを変えたりワンショルダーで仕上げるなど、アシンメトリーなデザインやドレープやフリル使いなど動きのあるシルエットが多い。その一方でテーラードテイストのかっちりしたジャケットやコート類、またはレザージャケットなどのハードなアイテムもあり、そこにはカットアウトやジップ使いでシャープなディテールが施されている。色遣いはブラックにイエロー、レッド、オレンジといったマッシュルームを連想させるようなサイケデリックカラーが使われ、多くのルックではモノトーンで使われるのも印象的だ。

 
 サラ・バートンは「2年で起こったすべての出来事を考えると、これら“コミュニティ”はこれまで以上に重要であるように思われます。私たちはこれからコミュニティとして、今まで以上に人々を癒し、回復し、そこからさらに様々な再発明し、活性化できると信じています」とコメントしている。一見、ユニークなコレクションテーマだが、そこにはパンデミック、戦争といった現在の不穏な状況を、皆で打開していきたいという願いが込められているのだろう。

文:田中美貴

「アレキサンダー マックイーン」公式サイト

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