繊維ニュース 編集部ブログ

2018 15 May

ヌートリア

 【大阪本社】旧暦4月1日、七十二候では立夏の末侯、竹笋生ず(たけのこしょうず)。たけのこが、ひょっこり出てくる頃であり、イチゴの実が成る季節がやってきた(写真は、収穫間近のイチゴ畑)。

 毎年、鳥に実を狙われるが、今年はさらに、“ヌートリア”の出現によりイチゴに被害が拡大している。昨年の秋、田んぼの稲刈り直前にあちらこちらに直径1㍍程度の大きさで稲が倒され巣が作られ困った。 “ヌートリア”とはスペイン語で“カワウソ”の意味で、体形は、30~40㌢の大型のドブネズミといったところ。

 外来種で、南アメリカ原産。1905年に上野動物園に初めて輸入され、その後第2次世界大戦中に毛皮を軍隊の防寒着用に供され、肉は食用に利用するために多数飼育された。しかし、戦後は需要がなくなり特に終戦直後と1950年代の毛皮ブーム後、野に放たれた。そして、しだいに野生化していき、主に東海地方から西日本に定住するようになった。

 長いひげとオレンジ色の歯をもった非常に凶暴な生き物である。特定外来生物に指定され、駆除の対象となっている。(博)