繊維ニュース 編集部ブログ

2018 07 Nov

軽くて快適もいいけれど

 【東京本社】ジーンズとエレキギターには共通点が多い、とたびたび書いてきた。ともに第2次大戦後に日本に輸入され、「新しさ」や「自由」の象徴として若者の間でもてはやされた。「フェンダー」や「ギブソン」といった創成期のブランドは、「リーバイス」や「リー」のようにそれぞれ贔屓(ひいき)の支持者を持つ。今では汎用品となり、かつて愛好した若者たちとともに成熟期を迎えた。

 写真は、先日手に入れた1970年代製の国産ベースギター。手にした第一印象は「重い」。ボディはアッシュ製で、1970年代~80年代のエレキの材質としては最もポピュラーだった。その後は「アルダー」、より安価な「バスウッド」へと変わり、重量も軽くなっていった。

 実際のところ木材の重さと音の良し悪しは無関係なのだが、アッシュ材の人気は根強い。武骨な木目もあいまって独特の魅力があるのだ。

 薄くて軽くて伸びる快適なジーンズが台頭する一方、ガチガチでゴワゴワのヘビーオンスにこだわる人がいる。ギターとデニム、楽しみ方がいろいろなところも、やっぱり似てる。(周)