繊維ニュース 編集部ブログ

2020 20 Aug

いつもと違う夏

【東京本社】今夏は神奈川県内の海水浴場オープンが軒並み中止となり、湘南海岸はまさに「いつもと違う夏」を迎えた。それにもかかわらず、海岸に人が押し寄せる映像がテレビで繰り返し流された。しかし、江の島を臨む片瀬東浜海岸近くでレンタサイクルの店「湘南ローカルウェーブ」を営む山寺秀明さんは「人出は例年の3分の1にも満たないのでは」と話す。

 山寺さんは2年前、「湘南を訪れる人に、その魅力を満喫して元気になってもらいたい」との思いで現在の商売を始めた。今年は、海の家が営業していないため、バーベキューコンロ、タープテントなどの貸し出しや荷物の預かりといったサービスが好評だという。

 それでも、繁忙期であるはずの夏に人出が減っている状況は、商売にとって痛手だ。現状を打開しようと、オリジナルTシャツの販売を開始する。自転車を利用した後、着替えを求める客が多いことから、Tシャツ販売を思い付いたそうだ。

 デザインは、東側から見た江の島とその背景をイメージした。湘南への愛着と「店の認知度が上がれば」という期待を込めた。観光地の「いつもと違う夏」は、そこで生きる人の視界にも変化をもたらしている。(強)