繊維ニュース 編集部ブログ

2020 02 Jul

MB氏の心意気

【東京本社】新型コロナウイルスの感染拡大は、理不尽な仕入れキャンセルや取引の一方的な停止といった負の連鎖をもたらした。中でも、大手セレクトショップがOEM企業に対して行った仕入れキャンセルは、SNS(交流サイト)を介して一大ムーブメント(いわゆる大炎上)を巻き起こし、OEM企業を助ける動きにつながった。

 この商品の一部を買い取り、メールマガジン読者に販売することをいち早く表明したのが、ファッションブロガーでユーチューバーのMB氏だった。以前のインタビューで「この業界は古い慣習に縛られ、旧態依然としたビジネスモデルの上に成り立っている」と話し、新型コロナの以前から問題点を指摘していた。

 ユニクロが台頭した理由を消費者目線で解説し、セレクトショップや大手アパレルの短所を理詰めで話す姿は、ベテラン記者やジャーナリストとも違う明快な意見を持っている。ユニクロの990円Tシャツと、セレクトショップの5800円Tシャツを比較し、素材やシルエット、スタイリングのしやすさを見て「消費者がユニクロを買うのは当然。セレクトショップのオリジナル企画には(価格設定の際の)構造的な問題がある」と説く。

 こうした人物がファッション業界を変えていくのか。業界の外から改革を迫るのが効果的なのかも知れない。(市)