繊維ニュース 編集部ブログ
2019
17
Jun
靴下用プリント機が登場
【大阪本社】東伸工業がこのほど、靴下用のプリント機を開発した。これまでも靴下のプリント柄はあったが、ドットなど部分的な柄の表現のみで、靴下の幹地にまで手の込んだ柄を施すのは難しかった。
ところが、同社が開発したプリント機はかかとやつま先を除く靴下のほぼ全面を、平面に絵を画くように精細に柄や写真までもプリントできる。これまでジャカード編み機でさまざまな色の先染め糸使いで柄を表現してきたが、これを導入すると、従来の柄編み機やそのノウハウで生きてきた技術者は存在を脅かされることになる。
プリント速度は靴下1本15秒というから驚異的。一般的なジャカード編み靴下で編み上げるのに3~5分はかかる。さらに糸使いで柄を表現しないから、糸の過剰な仕入れや、編み終わって余った糸を捨てるといった無駄もない。1足だけの柄という極小ロット対応もできる。
課題となるはコスト。1台25万㌦、さらにプリント前に薬品の塗布や、プリント後には蒸し、洗いといった処理が必要だ。そうした設備も投資すると考えればさらに、10万㌦ほどは見込んでおいた方がいいそうだ。今、日本で稼働しているのは1台のみ、海外でも2台だけ。導入するとすれば大手になるだろうが、果たしてどこが入れるのか。楽しみだ。 (学)