桑原 ゆう
《うつろひの花》再演
今日、明日と、リコーダーの古山和夫先生と笙の中村華子さんが《うつろひの花》を再演してくださいます。
岐阜県恵那市岩村町の「いわむら美術の館」にて、書家の瀬野大輔さんの個展「佐藤一齋 言志四録の気韻」開催に合わせてのレクチャーコンサートで、今日は15時からと17時からの2回、明日は13時からだそうです。
古山和夫「佐藤一齋と楽」レクチャーコンサート


2017年5月5日(金) 15:00-16:00
@いわむら美術の館 (恵那市指定文化財) (岐阜県恵那市岩村町1584-2)「佐藤一斎の気韻」開催会場 美術の館 奥座敷
2017年5月5日(金) 17:00-18:30
@岩村コミュニティセンター(旧公民館) 2F 大会議室 (岐阜県恵那市岩村町1657-1)
2017年5月6日(土) 13:00-14:00
@いわむら美術の館 (恵那市指定文化財) (岐阜県恵那市岩村町1584-2)「佐藤一斎の気韻」開催会場 美術の館 奥座敷
演奏/古山和夫 (ソプラノリコーダー)、中村華子 (笙)
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《うつろひの花》は3年前に古山先生に委嘱をいただき、調性であまり難しくなく聴ける作品ということで作曲しました。リコーダーと笙の組み合わせで音を想像したとき、笙の音はどこまでも広がる空と緩急をつけて流れる風、リコーダーの音はその空間を飛んでいく鳥たちのさえずり…というイメージを持ちました。鳥のイメージは、現代音楽のフィールドではもう使い古されたようなものだとは思うのですが、結局その最初のイメージを払拭することはできず、それならむしろ、メシアンや他の作曲家たちにならって、鳥の鳴き声をそのまま音の素材にしようと思いました。4月の初演が予定されていたため、春の鳥といえばうぐいすだろうと、うぐいすの鳴き声を音に写し取り、それを様々に変奏しながらメロディーとしました。また、古今和歌集の「うぐいす」をふくむ和歌から「うぐいすの なく野辺ごとに きてみれば うつろふ花に 風ぞ吹きける」を選び、そのイメージで全体を作曲し、「うつろふ花に」を少し変化させてタイトルとしました。私なりの、音による「本歌取り」といった感じの作品です。たしか初めてPCでスコアを作った作品で、Finaleと挌闘しまくったのもとても懐かしいです。

