船橋 芳信
2018
26
Oct
コーヒーへの夢!
コーヒー国、イタリア、ここにはバールと呼ばれる喫茶店が、此処彼処に
存在する。コーヒーを巡る様々な器具は、1920年代、1930年代、40年代、
50年代と時代時代にコーヒーを巡る商品群には、様々な寓意工夫が施され、今に至っている。
コーヒーメーカーの一番知られているものにビアレッティのエスプレッソ器具が一般的だ。
又業務用ではチンバリが使われている。1950年代には、建築家に依る、コーヒカップ、皿、コーヒー器具、
調理器具のモダーンアート化が始まる。
ミラノにはエレガントなバールが沢山存在する。その合間を縫ってチェーン店化するバール、巨大資本に依るバールが存在してくる。
先月、ミラノの中心地にオープンしたスターバックスは、オープン時交通をストップさせ混雑への対策を昂じた程、話題を創り、
それに参加したミラノ市民の数は、夥しかった。ミラノ郊外へと続くビアーレモンザの奥にある喫茶店、コーバはその一つだ。
先日、このコーバを訪れた。広くない店内は、アールデコの様式の雰囲気が、落ち着きを覚える。
正面のガラスケースに入ったドルチェ、ブリオシュ、円卓のテーブルと椅子。
右側に眼を遣るとガラスケースには、数々のコーヒーを入れる為の器具が展示されている。
どれもが50年以上に古いものだ。オーナーの自宅には230種類の違ったモデルを展示してあるそうだ。
産業革命以降、人間は道具を使わなくなった。機械が道具を凌駕して、人間の製造生産に、変化を与えた。
人間のコーヒーへの夢と創造の時間の経過が、其の形の中に遺っている。
今では、AI,人工頭脳が機械の領域、人間の最後の砦をも侵略し始めている。
コーヒーの歴史の中で、コーヒーへの夢と想像力は、何処へ行ってしまうのだろうか?