船橋 芳信
2018/2019年、秋冬のコレクションの製作開始!
2018/2019年、秋冬のコレクションの製作に入っている。
今年はミラノウニカでのサンプルアップの中に、
梳毛ストレッチカシミアの生地を手に入れた。素材の感触は、普通のカシミアと比べ、やや触り心地に
柔らかさでは負けるが、カシミアならではの光沢、優雅な豪華さの主張は光っている。
次回のコレクションの主役には、Gr.560とGr.700のダブルフェイス、この梳毛カシミアストレッチを、
メインにジャケット,コートを展開する。価格帯は,350.000円から600.000円、
小ロット、少品目、小クライアント、小さく細かく、洋服の質への追求と着る側への要求度をも押し付ける、
そんなコレクションを夢見て、時代錯誤的、アナクロニズムに陥って、ファンタスマゴリ、試行錯誤のもの作りに邁進する。
個人にとって外的であるようなかなりの多くの物が、市場にとっては内的な売れて行く動機の様な物であるとすれば、
人の化粧、着ている衣服、素材に思いを寄せるのは、あながち、無駄な事ではないだろうか。
都会には多くの人達が行き交い、其の大衆の行動には、衣服を纏い、色とりどり、種々の素材が、行き交う。
其の人の流れを、時代を追って眺めて行くと、確かにマスの行動には集団の内部性が、見えてくる。
流行は其のマスの集団の内部性の変遷であろうか。明日の流行を、マスの集団の外側に思いを計っても、致し方ない。
まだ集団は、明日と言う時間には今は存在しないのだから。個人の外部性に焦点を当て、カタチを探し、パターンを興す。
服を、コレクションを作る私は、服作りの動機に其の制作作業を委ねる。動機を失う時、それを探す。
自分の存在意義を求めて、作る服に自己存在意義を与えてもらう。
又次のコレクションを作れるかどうか、このコレクションの結果次第に依る。
そして、毎回毎回同じ事の繰り返しながら、微妙に動機、モティーフは変化して行く。
それは、新しい出会いとのコミュニケーションに依る。色んな、事、人、音楽、芸術、との出会いが、
服作りに必要なエネルギ−を燃やし続けてくれる。