船橋 芳信

2017 27 Nov

エアー・フォースワンに乗った男!

エアフォースワンとは、アメリカ合衆国大統領が搭乗した際に
アメリカ空軍機が使用するコールサインである。
大統領が搭乗していない時や、大統領の任期が飛行中に終了した時は、
その機体がアメリカ合衆国大統領専用機であっても、
このコールサインは使われない。 
 1963年ダラスで凶弾に倒れたJhon F Kennedy 大統領の
エアーフォースワン機上で、Johnson副大統領は、大統領に就任し
就任の宣誓を、行った〔グーグル先生参照。〕
 11月09日、Sartoria Ypsilonの新しいアトリエオープニングパーティー、
そこで,大野順之助先生とお会いした。先生と初めてお会いしたのは、
小生、未だ弱冠25歳の頃だった。鯨岡阿美子先生主催の
アミコファッションズに通う事になったのは、就職先のパターンサービスの
会社が、アミコ式立体裁断の考え方に依るパターンを作製していた。
立体裁断の考え方に触れたのは、その時が初めてだった。
平面図である型紙を、組合せる、縫い合わせると立体を創り出す。
 平面、2次元作業のパターン作成作業ながら、
その型紙は、身体と衣服との間の空間を演出する。
 布地が人体の上で生み出すドレープを、自在にピンを使って操る大野先生の
テクニックは、眩しいほどの存在感だった。ニューヨーク在住の先生の話、
日本人にして日本人離れした服装、毛皮のコートを羽織った先生は、
当時の私の常識には存在しない人物だった。
 折しも、パーティーでは、トランプアメリカ大統領の来日話に花が咲いていた。
すると先生は、「僕も、大統領専用機に乗った事があるよ 。」
 「えっ!何故乗れたんですか?」
 「僕はレディーバードジョンソン、大統領夫人のデザイナーだったんだよ。」
 「大統領就任式のドレスをニューヨークから、ワシントンDCに運ぶのに、
婦人が、エアーフォースワンを使ったらどう!と、
それで乗ったんだよ。 」 最も呆気ない説明だったが、
「それって大統領就任式の婦人のドレスは、大野先生の作品じゃないですか!」
「先生はファーストレディーのデザイナーじゃないですか!」
 87歳にして現役で活躍される先生は、屈託ない笑顔で答えてくれた。
 民間人で、エアーフォースワンに乗った男は、他には居ないだろう。