芹澤 絵美

2021 09 Oct

野生化したジャガイモ

 

ニュージーランドは春真っ盛りで、畑の準備もずいぶん整いました。
うちの野菜畑は「レイズド・ベッド」方式で、木枠を使って地面よりも高いところに畑を作っています。

この家の前のオーナーは、地面に直接畑を作っていたのでその痕跡が時折地面から顔を出します。
その1つがジャガイモ。雑草にまみれてジャガイモの葉が伸びているのをよく見かけます。



そこを掘ると小さいけれどちゃんとしたジャガイモが地面の中から出てきます。
水やりも肥料やりもせず、何年も放置され野生化したジャガイモ。



先日そのジャガイモの葉の付け根に紫色の小さな丸いものが実っているのを見つけました。
そこにはポツポツと緑の芽があり、種芋が地上部に付いたのかも?!と思い、指で摘んでみました。
種芋もどきはポロっと気持ち良く取れ、2ミリくらいの小さな葉を沢山芽吹かせていました。

野生化したジャガイモは地中で芋を作り増殖していくだけでなく、何らかの理由で地上に種芋をつけ更に別の場所に広がっていこうという作戦を実行したのでしょうか?耕されていない地面で雑草にまみれて命を繋いできたジャガイモ、非常食として役に立つかもしれません。


私の畑は、スーパーマーケットで買える野菜は育てていないので、ジャガイモもいつも買っています。
ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キャベツなど、よく使う野菜は自分で育てるよりも買ったほうが簡単で安いのと、スーパーマーケットが「貯蔵」というある意味一番難しい役目を果たしてくれるので自分で育てるのを止めました。

もともとプレッパー(サバイバルに備えて準備している人々)気質がある私は最初はあれもこれもと育てる野菜の種類を拡大させていましたが、何年も同じ場所、しかも限られたスペースで野菜を作り続けるのには計画性が必要ですし、貯蔵という問題に直面し、散々考えたあげく、基本の野菜はスーパーマーケットに頼り、ワイヘキ島では手に入らない野菜のみを自分で作ることに決めました。

なので、この野生化したジャガイモは育てる手間と貯蔵の問題をクリアした神様からの贈り物だと思っています。
ジャガイモは非常時の食料として適しているので、他にも彼らが好む場所を見つけ、水やりや施肥を必要としない天然の畑&貯蔵庫を開拓しようと思います。ちなみに野生化したジャガイモのお味はというと、普通のジャガイモと遜色ない食感と美味しさです。野生のジャガイモ、自然の宝物です。


ニワトリ小屋では今年も新しい命が誕生しています。
気温も先月に比べたらかなり上がり、ほんの少しだけ初夏の兆しも感じるようになりました。