芹澤 絵美

2018 21 May

ポピーズ マーティンボロー

 

今回のマーティンボローへのドライブ旅行で見つけ、
今後要注目のワイナリーが「ポピーズ」です。

この名前を誰かから聞いた覚えがあった私は、
アタランギのアポの前にささっと立ち寄ってみました。

話が少し逸れますが、マーティンボロー地域にはカルト・ワインで有名な「ドライ・リヴァー」というワイナリーがあります。
ボトル1本の値段は群を抜いて高額で1本NZ$200以上します。
かつセラードアーが無い為試飲が出来ないのでなかなか手が出せないワインなのです。

実は「ポピーズ」のオーナー&ワインメーカーのポピー・ハモンドさんは、
2011年まではこの「ドライ・リヴァー」のワインメーカーだったのです!

ドライ・リヴァーの名前は幾度となく旦那さんから聞かされていて、
過去に取材で飲んだワインがひっくり返りそうな美味しさだったと言います。

資料が少なく、ポピーさんが何年から何年までドライ・リヴァーに居たのか不明ですが、旦那さんが取材に行った時には間違いなくポピー・ハモンドさんはドライ・リヴァーに居たのです。ワイン・メーカーとしてはケイティ・ハモンドという名でその頃の取材記事には名乗っていました。

ドライ・リヴァー時代の彼女とヴィティカルチュアリスト(ブドウ栽培の専門家)でもある彼女の夫シェイン・ハモンド氏の記事をネットで見つけました。

ある時代のドライ・リヴァーを作ってきたヴィティカルチュアリストとワイン・メーカーが、揃って独立し生み出したのが「ポピーズ」だったのです。

そんな逸話を知らずに、
最初にポピーズのセラードアーに入り試飲したのはピノ・ノワールでした。
旦那さんが一言「うん、美味しい」と言い、
私はその後にドライ・リースリングを試飲し、香りの柔らかさとは裏腹にレモンライムを感じさせるアタックの強さに強烈なインパクトを与えられました。

そこで一気にこのワイナリーに興味を引かれいろいろ話していると、
セラードアーの女性がオーナーであるポピーさんが以前はドライ・リヴァーのワインメーカーだったことを話してくれたのでした。

旦那さんが7年前に感銘を受けたワイナリーと、
いま現在飲んでいるワインが一気に一つの線上で繋がった感じがしました。

ポピーズのワインはどこにも卸していないので、
セラードアーで買うか、ホームページの問い合わせから直接ワイナリーにオーダーするかのどちらかしかありません。

ドライ・リースリングとピノ・グリが料理と合わせ飲むのにピッタリなサッパリさだったので、とりあえずこの2つを買って帰りました。
値段もドライ・リヴァーに比べれば遥かにお買い得です。
 

<花束をくるむように薄紙に包まれているポピーズのワイン>

昨晩このドライ・リースリングを開けて飲んだのですが、
ディッシュごとにワインの特徴の一つ一つがそれぞれ際立ち、
かつワインにおけるアサヒ・スーパー・ドライと呼びたくなるほどの完璧な切れ味で、
あっという間に飲んでしまいました。
レモンを使った料理、例えばカルパッチョやアクアパッツァ、後はドライ・フルーツなどにとっても合うと思います。

リースリングのイメージを根底から覆すこのワイン、とっても気に入りました。

このドライ・リースリングが毎年こういう特徴を備えているのか、
それとも2016年というチャレンジングな年の特徴なのか分かりませんが、
毎年どういうワインを出してくるのか注目したいワイナリーの一つです。