芹澤 絵美

2020 03 Oct

自給自足、ついに、、、鶏肉。

 

卵の自給自足目的で鶏を飼い始めた人が次にあたるハードルが、

「鳥を絞める」だと思います。

雌鳥は2歳以降になると産卵率が落ちてくるので、
毎年若い雌鳥を加えていく必要があります。

雌鳥を毎年購入する方法と、
有精卵からヒヨコを孵化させる方法があります。

完全アウェイのギャル雌鳥を古参の群れに仲間入りさせるよりは、
地元ママ付きのヒヨコから自然に群れに仲間入りするほうが、
スムーズに群れの上下関係に組み込まれていき、
イジメなどのトラブルを回避しやすいです。

なので私は、
ブルーディー・ヘン(卵を温めたくなっちゃった雌鳥)が出現したら有精卵を与え、
毎年ピュレット(1歳未満の雌鳥)を得ることにしました。

しかし、生まれてくるのはもちろんメスだけではありません。
自然の摂理なのか、だいたい半分はオスが生まれてきます。

初めてブリードした年はメスが2羽。
翌年ブリードした時には、メス1羽のオス1羽。
オスが1羽群れに居ると、有精卵を購入せずとも得られるのでキープします。

そして昨年オスが2羽孵化し、2羽とも群れに合流させた結果、
先住オスとメスをめぐって激しい争いになり、
それに怯えたメスが引きこもりになったり、若い雄が強すぎてメスが嫌がったり、
最悪怪我をしたりと、まぁとにかく毎日問題だらけでした。

なので、昨年産まれたオスを別エリアに移動させました。

ブリードを続けると、この余剰のオスをずーっと飼い続けるか、
人にあげるか、処分するか、絞めて食べるか決めなければいけません。

このハードルを超えるのに、
雄鶏だけを捨てることを選択した人が続出し、ワイヘキ島にはルースター・パークと呼ばれる、捨てられた雄鶏が沢山いる場所があります。
これは不法投棄なので、とっても問題視されています。

なので、安易にブリードしないように注意喚起もされています。

私は前から増えたオスはいずれ絞めて食べてあげよう、
と考えていたので、1年近く頭の中でイメージトレーニングし、
必要な道具を揃え、本日ついに決行しました。

魚以外の肉類の自給自足初挑戦です。

<以下ちょっとグロテスクです>

・スローターコーンに鶏を逆さにセットする(鶏の恐怖が伝わってきます)
・頸動脈を切断する(かなり勇気が要ります)
・湧かしたお湯に絞めた鳥を数分つけ毛穴を開かせる(やや微妙な気分)
・羽をむしる(エステのムダ毛処理の気分)
・解体(売っている鶏肉にしか見えなくなる)




鶏を自分で絞めて食したことがある方はすでにお気づきでしょうが、
1歳近くの鶏の肉は、信じられないくらい固い!です。
まさに「歯が立たない」とはこのことです。
旦那さんと2人で有り難く戴きましたが、正直美味しいとは言いがたかったです。

​​美味しくないと食欲をそそられないからなのか、
地鶏の滋養がありすぎなのか、
その日はいつもの食事量の半分しか食べられませんでした。

その後いろいろ調べた結果、
市場に出回っているブロイラー肉は、
生後7週という超ヤングでも体重が3kgもあるという、
食肉用にスピード成長するように品種改良された鶏だそうです。

うちのように地鶏で体重3kgまで増やそうと思うと21週くらいはかかると思います。

完全に無知でした。

けっこう懲りた感じなのですが、ある意味不完全燃焼なので、
次回は、性別が分かった時点で絞めて検証してみようと思います。


害虫以外で、意図的に生き物を殺したのは生まれて初めてです。
(魚は釣ってクーラーに入れている間に自然に死ぬし血液の量が少ないので、
殺している感覚がありませんでした)

いつも美味しいお肉を食卓に提供してくれる畜産業界の方々に感謝致します。

甘い考えで始めた私のマイペースな自給自足暮らしも、
今日を境に違うステージに入った感じがします。

にわちゃん達、本当にありがとう。