山中 健

2018 22 Sep

日本橋高島屋S.C.所感

9月25日にオープンする「日本橋高島屋S.C.」の新館。昨日9月21日には内覧会を開催し、私も行って参りました。

「日本橋高島屋S.C.」は、歴史ある百貨店を本館とし、ポケモンセンターなどが入る東館、タカシマヤウォッチメゾン、そして今回オープンする新館の4階体制の商業施設です。

「ショッピングセンター」と名付けてはいますが、来店して感じるのは、百貨店らしさ。新館も、百貨店の専門店街という感じです。「玉川高島屋S.C.」のフォーマットより百貨店色が強いSCです。

ということで、新館にはショッピングセンターのアンカーテナントの定石、ユニクロ、無印良品などは入っておらず、ファッション系テナントはセレクトショップや百貨店のアパレルメーカーの業態がほとんどを占めています。新業態も多く、百貨店グレードのテナント視察という点では見応えがあります。

ターゲットイメージは、50代を核に富裕な団塊ジュニアまでというところでしょうか。日本橋高島屋の子世代とも言えます。

日本橋といえば、周辺就業者のファッション購買への対応が長くできておりませんでした。コレド日本橋のような補完施設がありますが、良識あるリッチシニアと国内観光客が楽しむという商業地というイメージを拭うことはできません。そこで、この新館。グレードも年代も本体の百貨店とスラック(隙間)なく若い方にスライドしていると言えそうです。

しかし、20代、30代を含むターゲットでポピュラーグレードの商業施設は空いたまま。周辺のファミリー層は豊洲、手頃なものを求める観光客は東京駅前に向かう図式は変わらず。そのため、日本橋は銀座との地域間競合という大きな課題を解決することはできないままです。

三越は前体制の時に、周辺で働くキャリア女性を取り込むことを発表していましたが、その後方向転換。10月24日に予定しているリニューアルの時にどのようになるか注目したいと思います。

 

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