山中 健

2018 29 Sep

メディア化するリテールスペース

明日、30日まで営業しているカルティエのポップアップショップ「カルチエ」に行ってまいりました。内見会に伺えなかったので、雨降る水曜日に行ってきました。

スタート当初は行列が話題となっていましたが、雨と言うことでサクッと入れました。店内はコンビニ風のインテリア、レイアウト、販売システムですが、販売しているものは、世界のグルメやスペシャリティストアのもの。有名シェフがプロデュースするおにぎらずやマンゴーケーキ、世界各地のアルチザンが丹精を込めて生産した生活雑貨などが並んでいたようです。

と言うのも、私が行った段階でほとんど完売。棚は空スペースがほとんどです。非売品のシャンパンで作り上げたインスタレーション、アイスバーを並べたようなアート作品のみが目立つ状態でした。

このような品揃えでも、来店客は嬉しそう。店内で、写真や動画をガシガシ撮っています。もはや、店というよりインスタのためのフォトスポット状態でした。もちろん、スタッフは撮影を咎めるようなことはしていません。

この体験を通して、感じたのはリテールスペースがメディア化(見るだけで楽しい、情報発信など店頭売上以外での効果が狙い)するということです。前から言われていましたし、パリのコレットなどのようなB2Bのためのショーケースはありました。しかし、ここはお店での体験を来店客のSNSを通じて拡散するという、まさにメディア化している状況でした。

今や百貨店やチェーン店でも、フォトスポットなどを設けてSNSでの拡散を狙っている事例はありますが、「撮りたい!」っていうエモーションに訴求するための仕掛けはどんどん高度化し、リテールスペースそのものがメディア化していく例が増えてきそうです。

しかし、その場での売上アップを考えると無理な部分はあるので、大手がポップアップショップで。というのが現在の先端事例なのでしょう。

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