山中 健

2019 30 Jun

第96回ピッティウォモ トピック5選

 

今季のメンズウィークで最も話題となったのが、ピッティウォモ。その中でも印象に残ったイベントを5つ選んでみたいと思います。

1.ジバンシィのショー&パーティー

ジバンシィのショーはやはりすごかった。会場も別格…。フィレンツェの山の上にあるゴージャスな屋敷。2年前にJWアンダーソンが行ったのと同じ会場でしたが、それとはまるで異なる世界観を作り上げていました。

ほぼ、1番乗りで会場した私。静かな会場を楽しむことができました。おもてなしのケータリングもトスカーナのスローなムードのもの。

クレア初のメンズショーは、様々な国、カルチャーをエレガントにマッシュアップしたもの。その研ぎ澄まされた世界に感動しました。

ショーが終わるとその場は、パーティー会場に。あの優雅な庭園が、クラブのような空間に様変わり。スローなムードのオープニング、エレガントなショー。そして気分が高揚するアフターパーティー。同じ会場ながら、3通りのムードを作り上げた演出に驚きました。

 

2.フェラガモがパブリックに還元したショーを開催

フェラガモがショーを行ったのは、フィレンツェの市庁舎広場前。フィレンツェに観光に行った人は必ず訪れるところでしょう。様々な石像が設置されていることで知られるこの広場で、特別なショーを行いました。フェラガモが修復をサポートしたネプチューンの噴水が見守ったこのショー。フェラガモの上質なレザーが日差しのもと輝きます。そして、石像モチーフのプリントも。創業の地フィレンツェへの敬意を強く感じるショーでした。

 

3.ルイザヴィアローマの超豪華ショー

このショーは本当にすごかった。ミケランジェロ広場に5千人収容のスタジアムを設置してショーをやったのですから。日本でいうと表参道を通行止めにしてショー会場にしたようなもの。

この巨大ランウェイに現れたのはジジ&ベラハディッドなどの今をときめくスーパーモデルやアレック・ウェック、ナターシャ・ポーリー、マリアカルラ・ボスコノなど90年代に活躍した大物モデルたち。そしてアフターショーには、あのレニー・クラヴィッツがライブも(ミニライブではなくしっかりとしたライブ)。そして何よりすごいのがこのショーを行ったのが、フィレンツェの個店セレクトショップ「ルイザヴィアローマ」だということ。ECサイトシフトでビジネスを伸ばしているとはいえ、一企業がこの規模のショーを行うとは、びっくりでした。

4.気鋭デザイナー「マルコ デ ヴィンチェンツォ」

ビッグネームの陰に隠れ、あまりメディアに報じられていませんが、「マルコ デ ヴィンチェンツォ」のショーはアタリでした。ミラノではレディスで人気があるそうですが、日本の業界人には初めて聞く人が多いでしょう。レトロ感をまとった不均衡なレイヤードルックは今の空気にぴったり。そして凝りに凝った素材は見事でした。今後に期待です。

 

5.アートな回顧展

ピッティ宮殿で行った「ROMANZO BREVE DI MODAMASCHILE(メンズファッションの短編小説)」も見応えがありました。これまで、ピッティに招かれたデザイナーたちの当時のピースをキュレートし、様々なストーリーに仕立て直した展覧会です。世界のビッグネームも新進気鋭のデザイナーをミックスして編集しており、その表現方法はとても勉強になりました。

 

ビッグネーム、新進デザイナー、アート、フィレンツェの街とヘリテージ、トスカーナの自然・・・・ピッティならではの魅力を満喫した日々でした。

関連画像:ピッティウォモ

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