山中 健

2018 30 Aug

トムブラウンとゼニアが生むシナジー効果

ゼニアがトムブラウンを買ったというニュースが報じられました。BOF の記事よると85%の株式をゼニアが取得、15%はトムブラウンとのこと。トム自身も続投するでしょう。

思えば、トムブラウンはこれまでさまざまなオーナーに委ねてきました。元俳優のトム・ブラウンが2001年に同ブランドを創業。アンクルカットのテーラリングで注目を浴びて、NYで人気が爆発しました。わざわざ、トライベッカのお店に行ったのが、もはや懐かしく感じます。

その後、2009年に日本の会社クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)の傘下になった時は、その売上が意外に少なく、人気と実利の差を感じました。クロスカンパニー時代には、エントリーラインの開発も行い、クロスカンパニーのSCブランド「コエ」とのコラボも行いました。コラボと言えば、ブルックスブラザーズ、モンクレールも有名。日本のファッションコンシャスな男性にとっては認知度の高いブランドとなっています。

そして、ファンドを経てゼニアの傘下に。とても、びっくりしましたが、相性がいいように思います。ゼニアの生地提供力、生産背景を生かし、トムブラウンが苦手だったヨーロッパやアジアの市場へ攻め返えせると思います。

日本や韓国など、コアなファンを持つトムブラウンですが、ヨーロッパやASEANなどでは、インパクトを出せていないようです。一方ゼニアは、ヨーロッパはもちろん、アジアにもたくさんの店舗販売網を持っています。

そして、エリートなアダルトをターゲットとしたゼニアにとっても、若々しいテーラリングを好む新興国の若い大人を狙えると思います。

つまり、生産と販売、エリアの3点でシナジー効果があるではないでしょうか。

ゼニアがトムブラウンを迎える・・・・。まるでイタリア紳士が、シャイなNYボーイを養子に迎えるかのよう。さらなる成長が楽しみになる、ワクワクする話題でした。

(写真は、6月に見たトムブラウン2019SSショー)

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