山中 健

2018 08 Sep

スポーツとファッションがますます融合

「アスレジャー」という言葉が流行って2年以上が経つ今、スポーツとファッションがますます融合しています。

それは、ファッションのルックだけでなく、製品の定義、ビジネスモデルまでも変えています。

先日「g.」を発表した「Sakayori.」の展示会で坂寄デザイナーの言葉が印象的でした。「スポーツ製品のための素材を知ると、ファッション向けの素材がいかに遅れているのかがわかった」とおっしゃっていました。例えば、色移りをしないにもつかないのにアタリはつくというデニム素材、撥水・撥油加工の白素材など・・・。アウトドアやスポーツでは、パフォーマンスや利便性向上を目的に様々な素材が開発されています。同ブランドではこれらの素材を、顧客メリットとして採り入れたそう。

(g. ファーストコレクション)

このように、スポーツやカジュアルの世界だけでなく、モードの世界にも様々なスポーツ素材やテクニックが入ってきています。

そして、スポーツ企業とファッションブランドの融合もますます進んでいます。デザイナーとスポーツブランドのコラボというレベルでなく、スポーツ企業がファッションブランドを傘下にし、そのブランドをスポーツ素材などのテクニックで、顧客メリットを最大化している例も聞かれます。「ゴールドウィン」と「ウールリッチ」の例などはその代表でしょう。そして、ワークマンのSC業態「ワークマン プラス」も、作業服の持つ機能性を普段着として提案している例と言えそうです。

(ゴールドウィンのテクニックを使用したウールリッチ日本生産ライン)

この背景には、スポーツ業界の技術開発とともに、消費のニュー・ノーマル化があると感じます。ファッションコンシャスな層は少数&高度化、ほとんどの消費者にとって服は、住関連と同じように、ソリューションがないと受け入れられなくなってきているのではないかと思う次第です。

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