山中 健

2020 05 May

J.クルーの破綻について思うこと

(写真:ウィリアムズバーグのJクルー)

「J.クルー(J.Crew)」が破綻しました。日本のテレビでも、コロナによる経済不安を表す出来事として報じています。確かに、休業によるキャッシュフローが激減したことは大きな原因ではあると思いますが、その前から何度も破綻が噂されていましたから、業界の方々は「とうとうか…」という印象を持っている方が多いでしょう。

低価格ブランドとの非競争戦略、ブランドのリポジショニング、チェーン店の個店化政策などなど日本のファッション業界は、「J.クルー」から多くのことを学んできました。またトッドスナイダーを始め新たな才能も輩出してきました。お手本としてきた企業がこのようなことになり虚無感を抱いてしまいますが、教えてくれたことは大事にしていきたいと思います。これまで何度も危機にあっても生き返ってきた「J.クルー」。一旦縮小して、独自固有の長所を伸ばして、また再生することを願うばかりです。

アメリカの人気ファッション企業は、顧客からの事業収入でコツコツとストックを増やして、、、というタイプはとても少なく、金融テクニックを駆使して原資を増やし事業展開を広げるタイプが多いので、このような異常時に持ちこたえることができないケースも多いでしょう。このような異常時には、商売の原理原則とその応用術が大事だということ強く思いました。

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