山中 健
2019秋冬パリメンズ この会場に高揚した
ショー会場に届くまでには、色々な事があります。渋滞してイライラしたり、時間が空いたと思って食事をしたらなかなか出てこなかったり、スマホで原稿を書いたりして電車を乗り過ごしたり、、、。
でも、それまでの色々な事を忘れさせるような非日常的な会場を提供するブランドが、毎シーズンいくつもあります。
今回もやはりLVMHグループである「ルイ・ヴィトン」、「ディオール」、「ベルルッティ」は素晴らしかったです。
「ルイ・ヴィトン」は、チュールリー公園の中にテントを設置。メタリックカラーの外観とデジタルサイネージと、パリコレ新世代の大物であるヴァージル・アブローらしい斬新さを感じます。
そして、中に入ると一変。1990年代のニューヨークのセットが。その頃のイーストビレッジやロウワーイーストの空気が漂っています。まるで、その頃にタイムスリップしたかのようです。中に入ったゲストは大喜び。スナップなどでお馴染みのセレブリティーも嬉々として記念撮影をしていました。
(ルイ・ヴィトン)
そして、パリは街全体が舞台のように華やか。パリのランドマークをうまく使って会場を設置するメゾンも多いですね。
「ベルルッティ」は、オペラ座の回廊をランウェイにしました。ショーの開始前は、職人たちがゲストを出迎えるという温かみのあるパフォーマンスも。
(ベルルッティ)
そして「ディオール」はアンバリットに巨大なテントを設置。エッフェル搭を借景に、フランスを代表するメゾンに相応しい会場でした。
(ディオール)
資金力のあるコンブロマリットのブランドが設置する会場だけでなく、知恵を絞った会場でショーを行う例も。
その代表が日本の「ヨシオクボ」です。シャンゼリゼ近くの劇場の舞台でショーを行いました。舞台には森のセットが組まれ、その前をモデルがウォーキングするというもの。「かなりお金がかかるだろうなぁ。」と思いますが、おそらく既にあるセットを利用したのだと思います。「ヨシオクボ」は、前回も金庫の前でショーを行ったり、パリで連続して印象深い会場を選んでいました。
(ヨシオクボ)
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