山中 健
平成12年 大店法廃止によりSC時代突入
平成のファッション商業史において忘れてならないのが、SCチャネルです。平成においてはSCチャネルが拡大。それまで王座に収まっていた百貨店やGMSにかわって中心チャネルとなっています。
そのきっかけとなったのが平成12年の大店法廃止です。長らく大型店舗と商店街などは対立関係にあり、大店法は、中小小売業を保護するため、大型店の出店を抑制するものでした。日本では大型モールがあまり多くなく、同時に大箱のファッション店がありませんでした。
しかし、この平成12年に大店法が廃止されたため、その後郊外を中心に大型SCが続々でき、「SC3000館時代」とも呼ばれました。当時、私が勤めていたコンサルティング会社でも、ニーズの多い案件はSC業態開発です。
また、この大店法廃止は副次的に外資系企業の上陸を促しました。それまで外資のファッション企業というと、ラグジュアリーブランドが中心。しかし、この大店法廃止以降、SPAを中心とした中グレード中心となり、百貨店チャネルの萎縮につながっていきました。この大店法廃止は、チャネル変化だけでなくグレードボリュームの引き下げの多くつながり、消費者の「わざわざ都会へ」という行動も変えていったのだと思います。
しかしその結果、地方の中心地が空洞化。その問題を解決するため、平成18年(2006年)にまちづくり3法が改正。郊外に大型モールが出来にくくなり、今は中心地のモール(駅ビル)開発が中心となっているのです。特に東京は来年の五輪に向けて次々とオープンしていきます。
平成は百貨店、量販店からSCを中心とした直営チャネルに移行した時代。令和は、平成後半に存在感を増したECチャネルとリアルチャネルが融合してくことでしょう。また、物販だけでなくサービスとも融合していくところから新たな時代がスタートすることになっていきます。
東京・武蔵村山の「ダイヤモンドシティ・ミュー」はまちづくり3法施行前に滑りこみオープン(平成18年)
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