山中 健

2019 27 Apr

平成3年 バブル崩壊 中グレード新プレイヤー台頭

平成も残すところあと3日。そこで平成のファッション商業の軌跡を、個人的な思い出と共に紐解いていきたいと思います。

個人的に思い出深いのは、昭和天皇が崩御した日(1989年1月7日)のこと。当時、私は大手百貨店の新入社員。バブル経済に沸いていた頃に外商係員として、富裕層のご婦人に宝石や毛皮、美術品などの販売をしていました。ただ、その日は先輩の手伝いで、仕事始めのある企業に大量の福袋を届けるという業務をしていました。行きの車の中で崩御のニュースが流れ、福袋を納品して良いものか躊躇しました。

その後、転職して外資系のファッションブランドに入社。バブル崩壊の平成3年には、二子玉川高島屋SCにある直営店でストアマネージャーの仕事をしていました。その年の夏までは売上は順調で、10万円台のバッグを普通のOLさんが購入する時代でした。そして同年3月から株価は落ちていましたが、店頭の売上はそれほど落ちることはなく、すぐに持ち直すと思っていました。あの「ジュリアナ東京」がオープンするなど、バブルのムードは色濃く漂っていましたし・・・。しかし、同年9月に毎週末に台風が上陸。当然売上は落ち続けます。そこでマスコミのバブル崩壊報道が過熱。それが現実のものとなり「失われた10年」が始まります。

このバブル崩壊によって、百貨店を始めとする上グレードのチャネルがどんどん萎縮・それに代わって台頭してきたのが「サザビー」や「ユナイテッドアローズ」「ビームス」「シップス」などのセレクトショップ、すなわち中グレード発のプレイヤーたちです。バブル崩壊により、「セルフプロデュース型消費」は上グレードから中グレードに移りました。そのきっかけとなったのが、平成3年だったのです。

ユナイテッドアローズは翌年平成4年に原宿本店をオープン

 

★SNSでも情報を発信しています

https://www.facebook.com/yamanakaconsulting

https://twitter.com/takeru_yamanaka

https://www.instagram.com/takeru_yamanaka/

▼2017年10月以前の過去記事はこちら

http://www.apalog.com/yamanaka/