山中 健

2019 30 Oct

東急百貨店の挑戦

小売業界人にとって、渋谷スクランブルスクエアの目玉は、東急百貨店が東横店を閉じて専門店業態を同館内に5区画出店したことでしょう。

その5区画とは、1階、地下2階のフードゾーン、4階のファッション業態「428-224(シブヤ224)」、5階の靴・婦人雑貨「+Q(プラスク)グッズ」、6階の化粧品「+Q(プラスク)ビューティー」です。

デパ地下や化粧品売り場、靴・婦人雑貨という平場スピンアウト業態はこれまでにノウハウを生かしており、MDは盤石でしょう。5、6階という立地は不安要素が残りますが、駅から出て歩く西武よりこちらを選ぶ消費者が多いように感じます。

挑戦と言えるのは、4階のファッション業態「428-224(シブヤ224)」です。銀座の東急プラザに出店した「ヒンカリンカ」よりぐっと、周辺になじませたイメージ。インポートセレクトの「マギークープ」、集英社オンラインのスピンアウトである集英社「フラッグショップ」、「ワイズ」などの4つのブロックで形成。ここも百貨店のブランド平場がスピンアウトとも言えます。

展開商品は、同館の中では少ないベターグレードのミッシー狙いで、テイストやカルチャーはわざと外した編集。プレスリリースにある「一人の女性の様々な『顔』のスタイリングを提案」ということなのでしょうが、開店以降、ポップアップコーナーを生かしてどのように磨きあげていくのか見ものです。

 

 

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