山中 健
2019NYレポート3 百貨店も変わる
アマゾンが様々な挑戦をしている間、百貨店を始めとする伝統的小売業もデジタルやデータ軸で様々なトライをしています。中でも特筆するのは、ノードストロームでしょう。
日本の流通業界では、「サービスが伝説になる時」という本で知られる高級百貨店「ノードストローム」。現場への権限移譲による完全個別対応は、様々な企業のお手本となり、私も視察によく行ったものです。それから約20年、顧客のほとんどがシニアとなった今「ノードストローム」を支えているのは、オフプライス事業とデジタル事業です。マンハッタンにはそのオフプライス業態「ノードストローム ラック」で進出。2017年にヘラルドスクエアにもオープンし、若い層からも支持されています。
そして、コロンバスサークル近くには「ノードストローム メンズ」を2018年4月にオープン。こちらは百貨店というより専門店です。取り扱いブランドは、ヨーロッパデザイナーやコンテポラリー&カジュアルブランドで、百貨店の強みを活かしています。そして、こちらの店で注目は返品ボックスです。オンラインを強化している自社らしく、デジタル処理をして店頭のボックスに返品すればOKというシステム。なんのためにやっているかというと、店頭に少しでもお客様に来店してもらうため。もちろん、顧客への利便性提供もありますが、入店客がどんどん減っている百貨店として、返品さえも顧客のエンゲージメントにつなげようとする工夫と言えそうです。
今秋にはウィメンズストアをオープン。そして、在庫を持たないカフェ併設のピックアップストア&サービスステーション「ノードストローム ローカル」のNYに2店オープンします。オールドスタイルと言われる百貨店の新たなロールモデルと言える「ノードストローム」にますます注目です。
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