山中 健

2018 25 Aug

コペンハーゲン セレクトショップ事情

家賃高騰、EC利用の普及により、パリやロンドン、NYなどのファッションキャピタルのセレクトショップは少なくなり、観光客相手のビジネスに変換しています。そのため、個性のあるセレクトショップは、そこまで家賃が高騰しておらず、また地元百貨店がファッション専門店化してない街の方が、見つけやすいのが、現在の状況のようです。ベルリン、バルセロナ、イタリアの地方の街、アントワープ、ブリュッセル・・・・・。そして今回訪れたコペンハーゲンも魅力的なセレクトショップを見つけました。

それらの多くが立地するのが、市中心部より北西に広がるファッションエリア。百貨店イルムから徒歩5分ぐらいのエリアに、地元デザイナーのショップ、カフェ、レストランなどが点在しています。このエリアは、ストロイエあたりのワサワサ感もなく、時間がゆったりと過ぎているような感覚を覚えます。

 

 

◆STORM

https://stormfashion.dk

世界に広がる洗練されたストリートミックススタイル、高い自主編集力が見られるのがこの「STORM」です。ウェアだけでなく、スニーカー、アクセサリー、フレグランス、本、ガジェッドなど、ファッション&アートをコンセプトとしたカテゴリー構成が魅力。ファションは、メンズはストリート&カジュアルをアップスケールし、ウィメンズは、リラックス&カジュアルなムードで、若々しいイメージに仕上げています。セリーヌ、Ami、モンクレールジーニアス フラグメント、アンブッシュ、ファセッタズム、メゾンキツネ、Y3、トムブラウンなど、日本の消費者にとって馴染み深い人気ブランドを取り扱っており、日本のデザイナーにとっては最適なブランド構成になっているのも特徴です。

◆LOT #29

https://lot29.dk/

こちらのショップは、地元の富裕層に向けたお店でしょう。成金っぽさはなく、品の良いリラックスしたファッションを提案しています。ウィメンズ、メンズウェア、ホームコレクションを扱っており、豊かなライフスタイルを送るカップルに向けたセレクトが見てとれます。エトロやミッソーニ、ニナリッチなどとリーバイスをミックスするというファッション上級者が唸るような品揃えが魅力です。

また、 PLAY コムデギャルソン、ネイバーフッドなどを扱う「WOOD WOOD」、ストロエの裏手にあるスニーカーセレクトの「NAKED」なども興味深かったです。日本の独立型セレクトショップにとって役立つヒントをたくさん感じた次第です。