内田 文雄

2018 26 Sep

流行の終焉が早すぎる!

一時期日本でも話題になった中国のシェアサイクル、日本(福岡)や遠くはEU諸国にも広がっていっているようですが、お膝元の中国の現状は?と言うと、相当悲惨な状態です。

 

元々ビジネスモデルとしては穴だらけで、有識者によると「儲かるはずが無い!」という事がずっと言われ続けていました。要は利用者のデポジットを徴収し、そのお金をプールしてして次の投資に回す、そしてできるだけビジネス規模を大きく見せかけ、最終的には会社ごと売り抜く、といったものでした。

故障した自転車を回収するトラック。回収の仕方も手荒い...

 

 

事実として、先週上海市内をシェアサイクルで移動しようと思い、近くの路上駐輪場を探しても、ほとんどが壊れたものばかりで乗れるものが皆無でした。その後日も同様でした。

利益が上がらないから自転車の修理も追いつかず、新しい自転車の投入も無い、といった悪循環となっています。もちろん、利用者の交通マナーの悪さも追い打ちをかけています。

 

中国でシェアサイクルが話題になったのは、2016年の後半頃でした。僅か2年しか経っていないのにこの有様です。

よく中国は「計画性が乏しく、まず行動し、やってみて修正すれば良い」と言われますが、まさにこのシェアサイクルについては、それを分かり易く体現したように思います。

 

利用者からは、APPで支払い気軽に安く借りられ、何処でも乗り捨てが可能、という謳い文句に飛びつき、ワァ〜と一大ブームとなりましたが、上述のような顧客視点に立っていないサービス(まともに乗れる自転車が無い)から、シェアサイクル離れが起こってきています。

 

今後このエコで革新的なシェアサイクルがどのように発展していくか?は見ていく必要が有りますが、このシェアサイクルもそう、amazon goを真似た無人コンビニもそう、今の中国の何事においてもすぐに飛びつき、そして早すぎる流行の終焉、については、何か寂しささえ覚えます。じっくりと取組み、進化させようという気概が感じれません。まぁこれが今の中国の実情なんです。

 

それでは!