内田 文雄

2019 17 Mar

肩書きだけで仕事をする人!

先日、上海で在る最近赴任したばかりの日本の在る企業の方とお会いした。

名刺を頂くとその方は上海OFFICEの会長兼社長という肩書きであった。

色々と当方の経歴などの話に続き、中国企業の実態(どんどん進化し続けていて、近い将来は日本を脅かす存在になる)などを話して、たわいもないミュニケーションをしていました。

 

するとその方は「日本の自社のやり方が如何に正しいか」「成功事例や日本に学ばなければならないことが多く有る」...という、まだマーケットを理解していない新参者が言いがちなことを言い出した。

 

その時点で、当方はこれ以上話す意味もない事を思っていると、「実はもう1枚名刺があります、日本の名刺です。以前は役員なのですが、先日それが外れ執行役員になりましたが...」と。

 

それがどうしたのか?私は日本ではこれくらいの地位があり偉くて、重要な役割を担っている。その自分が中国に乗り込んできてTOPとして陣頭指揮を執る、と自慢したいのか。これは日本人で肩書きだけで仕事をしている人の典型的パターン。

 

誤解を恐れずに言うと、その時点で彼のレベルを察しました。このような類の方は中国人スタッフに対して、自ら積極的にコミュニケーションしていかないタイプ。これではローカルとの間に壁ができてしまいます。

 

私は中国関連の仕事をして今年で1/4世紀を超えました。こちら中国でも以前は名刺交換で自己紹介は普通にありましたが、今はSNS時代でWechat(微信)がコミュニケーションの重要ツール。

 

初めて会っても互いが名刺すら持たずに、簡単に自己紹介をしてコミニケーションが始まり、最後に互いが気に入ったり、今後も継続して個人、ビジネスとして繋がりたい場合はWechatのIDを交換して関係性が深まっていきます。

 

要は人と人その本質そのものが中国では重要なファクターになり、良い「関係」(クァンシー)に繋がっていきます。

役職、肩書きが不要と言っているのではなく、もちろん日本は名刺が個人を表す社会だと理解しています。しかし名刺は正にたかが紙切れ一枚だと私は思っています。

 

その肩書きを盾に海外、ましてや中国でビジネスをできると思ったら、大間違い。肩書きだけでビジネスできたら誰も苦労はしない。

今回のことは自分自身も肩書きだけで仕事をしてはいけない、と戒める良い機会でもありました。

 

余談ですがたまに日本の方で、色々な事業の名刺を何枚も出す人がいます。私はこれもこれもやってます...と、これも私は意味がわからない、本業は何なの?と問いたくなります。何でもできますは、実は本業が見えず、深さがない事を自ら表してしまっていると思います。

 

それでは!