生地 雅之

2022 05 Sep

イオンスタイル

「イオンスタイル」という名称はイオンリテール(GMS)の前社長からつけられた模様(イオンGはすべてイオン名が付くために、「差別化したいからか?」ですが、全く意味不明です。名前を変えたからMDが替わり、お客様のイメージが良くなると勘違いされているように映ります。イオンリテール(GMS)の核店舗に使用したり、イオンタウンの核店舗として導入したり、イオンスタイル単体での展開もあり、使い方には統一感もないのです。

お客様にとってのGMSへの現在の期待値は、店名は何でも良いので展開されている食材が必要か否かだけなのです。この「イオンスタイル」名は記号そのものの位置付けなのです。ブランドにはショップブランドとグッズブランドに2分され、ショップブランドはセブンイレブンや伊勢丹等であり、グッズブランドとしてはヴィトンやエルメス等(別にラグジュアリーブランドだけではないのですが、)なのです。小売業はこの2種のブランドの掛け合わせで商売をすればより容易くビジネス出来るのですが、「イオンスタイル」はショップブランドとしては難があるのでしょう。

「イオンスタイル」のネーミングは素晴らしいのですが、無印のような衣食住串刺しのPBのネーミングに適していると思われます。お客様はイオンに来ているのは判っているのですが、イオンGはショップ名を含め、グッズもPB自体は衣食住別々の売場や商品ネーミングで始まっています。但し、無印はテースト軸があるので、1ブランドでブランドファン「ムジラー」を構築して囲い込みに成功していますが、2次的な「ムジラー」構築に不備がありファンの広がりがないのとチャネル戦略に不備を感じるのです。この2戦略を上手くできれば盤石なのです。「イオンスタイル」を衣食住串刺しブランドにするためには、テースト軸を前提にまず2種くらいのテースト区分から手を付けるべきでしょう。最初からの細分化はお客様に判りにくいので。一つ一つ認知されてからのスピンアウトしなければ。

例えば日用品では衣食住「トップバリュ」であり、黒や赤等の4種類の色替えがあり、お客様は色別に何の意味があるのか不明で、作り手のマスターベーションに陥っているのです。一般的に「トップバリュ」は食品と日用品以外の知名度は全くないに等しいと言えるでしょう。また、衣料品の「トップバリュコレクション」も一般平場のコーナー展開では売場造りで差別化しようとする部分はそれなりに肯定されるものですが、本体の企画とは別会社での企画のため、MDや商品はトップバリュとの打ち合わせもないように映り、重なったMDと隙間を残したMDであり、ビジネスとして不備が散見されます。勿論重なっている部分は半分不要であり、隙間はやらない方が良いMDであったりするので、最低重なるMDの無駄は排除できるのです。

再度「ブランディングとは?」から入り治し、GOAL設定を優先し、現在の立ち位置から何が不足で、重複はなにか、どう修正すべきかのフローを見直す事から始めるべきです。「いままでの構築部分の無駄」と「これからどのように稼ぐのか」を考えると「勿体ない」の一言に尽きるのです。まだまだやり直し出来るレベル(緒に就いた程度)であり、早めの見直しが必要不可欠です。スタッフはいるのですから、GOALを示すTOPとミドルを走らせるパワー(人材育成も)を平行して手を付けるべきです。そう難しくはありません。「知恵は外部で、作業は内部で」の徹底に尽きるのです。過去に様々な企業へ提案しています「コンサルの選び方」と同様なのです。​​​​​

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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