生地 雅之

2022 17 Jan

他力からの脱却は可能か?(内製化は正解か?)

最近、コロナ禍でキャッシュが不足してきているので、コスト削減に向けての業務の内製化が進んでいるように映ります。果たして正しい道筋なのでしょうか?

確かにコスト圧縮には適しているように見えますが、本当にそうなのでしょうか?今迄外部に出していた理由は、内部では対応できない案件ではなかったのでしょうか?社内にその道のプロが不在で、外部に依存しないと回らない業務の筈なのです。しかし、外部に出しても結果が伴わなく、結果が出ないという意味では社内でも同じと判断されているのでしょう。実は外部のプロの仕事が期待に沿っていない事に起因しているものと思われます。ここに落とし穴が存在しているのです。外部投資が必要ならもっと厳しい目線でのコスト削減の上、適正な外部に投資すべきなのです。結果が出ない事で良いとするなら問題はないのですが、

某大手百貨店が某大手コンサル会社に8億円でアプリ1つ立ち上げただけとか、別の大手百貨店が同じコンサルに28億円も払って何も結果が出なかったとか、某商社が同じコンサルにアパレル子会社の業績低迷の回復の案を依頼し、毎年4億円を5年間支払い、業界紙に書いてある程度の方針を3つ打ち出し、その子会社はではその時点では既に体力を失っており、3つの内の1つしか手が出せなくなっていて、1つも出来なく結果が出てこなかったのです。その親会社の事業管掌責任者は外国の子会社のTOPに出向しただけで、全く責任も取らせない甘い経営層にも問題があるのです。

この問題は根本に「依頼する側に意思(何をどうして欲しいのか)」がなく、コンサルとは方向性や案を出し、実行するのは依頼した側の企業なので、正しい方針や方向性でも依頼者側がそれを理解し、自ら立ち上がらなければ、全く結果が出ないのは明白なのです。
この内容は、上記の某百貨店の窓口の方が、大手コンサルの窓口の方に聞いた「本音」なのですが、自社の上層部には伝わっていないのです。理由は言ってもそれを使う(結果を出させる)のがその窓口だと認識されている事を知っているから、余計な事(本当は必要な)を言わなくなっているのです。

よって、何も動かないのです。経営層はお金を出すだけの判断しかできていない事に問題があるのです。本当は「何のために、何処に依頼するのか?」が重要なのです。自社・自分は違うと宣う前に、第三者目線で自社・自分を見つめ治せば一目瞭然なのです。自社のビジョン(方向性)がない企業にとっては、大手コンサル自体は名前だけBIGな「宝」の持ち腐れなのです。お金がある事は「良い事」なのですが、結果が伴う活かせる使い道を選ぶべきなのです。長い目で見ても「企業は人」なのですから、

コロナ禍だからと言って、ビジョンを持たない企業が足元の火消しが出来ても、その後は将来もないのです。依頼する側に明確な方針のない企業はまずは内製化しながら、依頼する目線を養う事が望まれているのです。「非常時には非常時の経営を、平常時には平常時の経営を」が必要であり、先週のブログの経営層の柔軟な人材配置と関連する内容なのです。過去このブログの昨年8月2日記載しました「コンサルティング」(コンサルの選び方)もご一読下さい。まずは選ぶ目線を養う事から始めるべきでしょう。そのためにも企業にとっては、人材育成の座学(理論)と実践(OJT)が必須なのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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