生地 雅之
外商強化の穴
昨今「百貨店の外商強化」にも取り組んでいます。
過日のブログにも記載、繊研新聞に1月にも寄稿しました「百貨店の外商強化」についても、同様の主旨で、外商上顧客に向けて、通常の店頭にはない商材を外商員経由で販売するビジネスモデルのご紹介をしようとしているのです。しかし、中々上手くお客様(顧客)に伝わってはいません、調査(反省会)の結果、取引先(メーカー)は素晴らしい商材(店頭のボリュームゾーンのお客様には不要な売場に展開していないハイコンテンツ)があるのです。百貨店側は外商顧客という上顧客を保持されているのですが、そのお客様にその商材の良さが伝わっていないのです。
百貨店側は様々な手法を駆使して、伝えようとしているのですが、その顧客のターゲットに適したお伝えの手法が取られていないのです。もう一つは外商員の業務で、従前の事(ルーティン)はやっているのですが、現在の変化しているお客様に適した行動が取られていない事が見えてきました。リアルの店頭売上が苦戦している中、外商顧客の売上が落ちていないのは、外商員の努力は今まで通りなのですが、外商顧客の購買力の旺盛さに寄与するところが殆どなのです。客数はリアル同様に落ちてはいるのですが、リアル以上に1客単価がアップしているのです。
よって、弊社は外商員のレベルアップ(外商員1人当たりの売上増)を目指し、訪宅販売をベースにハイレベルな技術をレクチュアできるスタッフを準備し、外商員のレベルアップに寄与していこうとのサポートを提案しています。コロナで訪宅等は難しいと言われている外商顧客は上顧客ではないと思えるのです。確かに訪宅が落ちているのは外商顧客の中級以下なのです。一般的には、呉服系百貨店は外商売上が30%超もあり、電鉄系は10%前後なのですが、電鉄系も30%にはできるのですが、電鉄親会社が「沿線のお客様に不便を感じさせない程度の強化で」との意識の企業も多く、本気度が低い場合もあるのですが、ポテンシャルは大きいのです。やるきがあれば、
勿論、小職の本質はリアルが強いので、リアルの売上拡大に向けても、同様な施策を立ち上げています。上記のようにリアルの販売・接客サービスのプロを準備し、販売員向けに技術をレクチュアできるスタッフを準備し、リアルについてはその部分が半分であり、残りは百貨店でも無人販売の売場構築をしないと売上拡大がままならないのです。ここを強化するために、小職自らの売場構築ノウハウを活用し、リアルの販売強化と共にサポートしています。リアルの接客による機会ロスの如何に多い事か、勿体ないの一言です。販売員を増やす事も重要ですが人件費が増加するので、まずは即できるセルフ可能な売場構築から始めるべきでしょう。
百貨店のリアルのCVRは17%程度であり、ON-LINEの10倍はあるのですが、それでも83%程度は購入されていないのです。83%の機会ロス(判りにくい事による接客しない売り逃しや接客による売り逃しも含め)は半端なく多いのです。そこに注目し、お客様自ら見やすく、買いやすい売場構築により自ら商品を手に取り、レジに持って行く売場構築(無人販売売場構築=リストラで販売員縮小もあり)が必要不可欠なのです。販売やセールストークはその最後(CLOSE)までの背中を押す手法なのです。勿論重要なのですが、ECサイトはカートに入れた人(在庫がある)の25%程度しか購入されてはいなく、75%程度はカートに入れても決済されないでサイトから出て行かれるのです。勿体ない機会ロスなのです。弊社のご紹介の「サイト離脱防止サービス」での解消企業も多いのですが、
外商員教育セミナーやリアルの売場構築や販売セミナーについては、百貨店の得意分野と思われて、自らが出来ていると考えているケースが多く採用されにくいのですが、リアルの百貨店やGMSでさえ採用された百貨店の前年比が触れる平場のみでも、前年比が140%以上も上がるのは何故のなでしょうか?特に取引先の販売員のいない平場は触りやすいのですが、取引先の販売員が付いているショップは中々手を出せないのです。しかし、百貨店の自社・自店の売場構築マニュアルがあり、その徹底を各社に促せば可能なのです。その通りやったのに売上が取れなければ責任問題にもなりやすいので、中々百貨店側からは口出しできないのです。しかし自社の売上なので、拡大する意欲は百貨店側にないとNGなのです。クリアする意思があれば。
新宿の某百貨店の過去の婦人服売場でさえ、1フロアで売場構築が3タイプに分れ、バラバラの展開であったのですが、商品はターゲットに合わせ、エリア毎に異なるのは当然です。売場構築(例えばお客様にとって見やすいハンガーの向き等)は同じ(一種類)であるべきなのです。当時この売場に入っていたブランドに関わり、手直しにお客様の見にくいパイプハンガーの高さ等を修正したら、その週の土日は同じ商品のままで、前年比160%強(それまでは前年比70%程度)になったのです。これで出来ていると言えるレベルなのでしょうか?
小職から見るとまだまだ改善の余地は残っており、まず基本に忠実にそこを修正すれば、まだまだ取りこぼしの売上は拾い上げられるのです。その部分を見ても、自社・自店の売場構築の基本がない(あっても企画会社のコピーや書籍の受け売り)のが殆どで、自社のお客様にとって正しいのかの見直し(何故こうしないといけないのか?)が無いマニュアルが殆どなのです。売上を確保するには、まずは売場構築の基本ありき(正しいマニュアルとその徹底)なのです。マニュアル不要論も一部あるのですが、自分でここまで出来るレベルの人材が社内に何人いらっしゃるのでしょうか?誰がやっても70点が取れるように設定し、その上は個人レベルに移譲する事を否定してはいないのです。販売員も「腹落ちすれば人は動く」のですから、納得させるべきなのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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