生地 雅之

2022 20 Jan

店頭リサーチ⑧

毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まりました。毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。

64.ヨドバシカメラ吉祥寺店
上層階にテナントが入っており、朝一とは言えガラガラでした。ヨドバシの集客力を期待しているのか、電化製品の目的買い客での「ついで買い」はないのでは?

65.西友吉祥寺店
上記ヨドバシの向かいにあるのですが、相変わらず酷い商品、コンビニのような高い什器であり、お客様を意識しない独自性だけでは利益などは生まれません。
日本を舐めているのか、米国では通用してもとても日本では通用しないのです。戦略はグローバルでも、戦術はローカライズしないと。日本が「ガラバコス」だからとは関係なく、小売業はローカライズ&カスタマイズしなければ生き延びないのですから、その店に来ていただき。お金を払って頂いた人がお客様なのです。

66.コピス吉祥寺

元伊勢丹吉祥寺店で、暫くは潤っていたのですが、今や閑散としています。特に東急よりの館(子供中心に過去は賑わっていたにもかかわらず)は、退店のラッシュです。
この日もファミリー客がガラガラとはいえ、比率的には多く来館されていたにもかかわらず、この館には入っていません。残念ながら。

67.東急吉祥寺店
常に高齢者メインのお店で、朝は食品を中心にこの店並みに賑わっています。上層階はいつもの如くガラガラです。

68,吉祥寺PARCO
渋谷や心斎橋とは大違いで、ローカルPARCO(調布や所沢、ひばりが丘等)の、店名含め進むべき道が別にあるのではないでしょうか?

69.アトレ吉祥寺
過去から注目しています「ロンロン市場」は特に参考になる売場です。百貨店のデパ地下並みのテナントが入っていても、朝一から平日なのに凄い集客であり、得異な商材の専門店まで成り立つのです。百貨店も「集客力」の原点は十分参考になるものと思われます。他のテナントも駅立地の強味か、それなりに入っていました。

70.キラリナ吉祥寺
やはり装置産業は作ったら身動きもできません、正面玄関の位置、エスカレータの場所等も問題の多い館です。エスカレータの急な角度も含め、問題点だらけです。
上層階のユザワヤに行く高齢者と下層階のファッション店のお客様とのターゲット層のギャップも買い回りに難(課題)が出ている事は一目瞭然です。根本的にMDがなっていないのでしょう。

71.イトーヨーカドー武蔵境店
いつもの如く、汚くてガラガラの店です。過去はしっかり売上が取れていた店なのですが、

72.イトーヨーカドー武蔵小金井店
いつもの如く、きれいでガラガラの店でした。

両店に共通しているのは、イオンやコンビニのように高い什器になりつつあり、見難さ・買い難さが出始めています。過去の低い什器での見易さ・飼い易さはどこに行ったのか?勝ち組のコンビニやユニクロがやっているから正解ではありません。勝組のポイントは1つでも大きく、それ以外が間違っていてもカバーして結果が出ているのです。良い点と悪い点を見抜く目線が無いと悪い点までマネしているのです。ユニクロも他社をマネて失敗もあるのです。

73,国分寺マルイ
いつものようにがらがらでしたが、下段のコメントのミーツに比べればましなのです。

74.セレオ国分寺
国分寺では一番まともでしたが、丸井にまた抜かれているのです。平均的なリーシングが個々の客層の現在には合わないのでしょう。

75.国分寺ミーツ
造りも、テナント撤退も、ターゲット層を実態より高く設定している事等も問題です。また最上階にそのフロアの公共施設の総合案内所があるのです。過去には館の総合案内所が最上階にあるのはとも思っていましたが、今回ヒアリングするとこの公共機関のこのフロアのみの総合案内所なのです。表記もなく紛らわしいものです。この点でも「お客様目線」にはなっていないのです。

76.西友豊田店
上記西友吉祥寺店同様で、ガラガラです。食品1F,2Fが暮らしのフロア(LIVING)、3Fが衣料品です。イオンモール川口の参考店か?それにしてはここも活性化になっていなくガラガラなのです。これを見てイオンモール川口の2Fと3Fを入れ替えたとは思えないので、前回記載のようにイオンモール川口は「思い付き」の何物でもないのです。

77.イオンモール多摩平の森
相変わらず作り(エスカレータ一も)が悪い館です。食品メインで多少入っていましたが、

78.西友河辺店
上記西友吉祥寺店同様がらがらでした。

但し、上記豊田との西友の2店は衣料品を見てもエスカレータ上り前には4~5体のマネキンを、売場前に5体のマネキンをVPにして、今迄の商品羅列のみから売場の意思(WILL)を出そうとしているのが感じられました。
しかし、WALMARTは西友をどうするつもりなのか、再生しようとしているとは全く思っていないようで手付かずであり、「
勝手に好結果が出る」(棚ぼた)とは考えていないと思いますが、放置したままなのです。

例えば、薄いハンガーを肩幅の厚みが出たハンガーに変えると、今に商品のままでも商品は数段良く見えるのです。そうなれば展開商品量が減り、仕入れコストも圧縮でき、ハンガー費用の差額も捻出できるのです。勿論、今のままも商品レベルを上げる努力は当然すべきなのですが、

また、セルフなのですから、VPした商品の横にはそのVPした商品の色違いやサイズ違いを展開する等は配慮すべき点なのです。有人店舗でもいつも販売員がいる訳ではないのですから当然ですが、このような「お客様目線で売場と商品の課題を発見し、プロの業で改善・改革すべき」(弊社のコンセプト)なのです。有人店舗も同様でその気付きの積み重ねが好結果を生むのです。

価格設定もHIGH&LOWをしないのは判るのですが、他のGMS等のLOWに負けているのは、EDLP(EVERY-DAY LOW-PRICE)が出来ていると言えるのでしょうか?この品質でこの価格ならどこのGMSでも対応可能なのです。ブランディングが出来ないのなら、価値ある商品を価値ある価格で提供する本来のEDLPに特化すべきなのです。過去にはジャケットを「居酒屋で吊っていても、他の一般客には西友のブランドと判らないネームにすべき」との言葉も当時のバイヤーからお聞きしたことがありました。「自信の無さ」を表す言葉なのです。

お客様は「価値あって安い」処に流れるのですから。百貨店層の外商顧客でさえ目を瞑って買う人などは一握りなのです。何故「株主優待」を使うのか?何故カード会員(友の会等)になるのか?を考えれば、、、同じものを安く買う事は表現するか否かは別として、「お客様の自然の心理」なのです。

また人間は生活レベルを落としたくないので、収入が減ったら百貨店層も、GMSやFB&SCに流れていなくアウトレットなのです(一部のやむを得ない人は除く)。FB&SC客も同様にアウトレットに流れる(同じなら安く)のです。ここ数年のアウトレットショップはラグジュアリーブランドばかりではなく、FBやSCブランドも(ユニクロを除いて)乱立しているのです。
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79.イオンスタイル豊田店
ここも1Fが使えていなく、勿体ないのです。駅からのペデストリアンデッキで繫がっており、メインが2Fは判るのですが、2Fの食品等の重い商品を購入後に1F(半分以上駐車場)経由で近隣の地元に帰るのは「自明の理」なので、フロア構成に難があります。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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