生地 雅之

2022 31 Oct

大分トキハ+ジ・アウトレット北九州他リサーチ

先日掲店に行ってきました。

1.    大分トキハ
博多から高速バスで目の前に降り、時間はかかりましたが、安価で便利な場所に着くバスでした。
珍しい百貨店なのです。水戸京成と同様に都心並みのラグジュアリーブランドが並び、過去の百貨店然とした百貨店(ブランドリレーションには難があるものの=ブランド導入で精一杯か)なのです。また下記の記載の郊外SCも展開し、一般的な地方百貨店とは異なった方向性を持っているように思われます。

トキハ本店と隣のトキハ会館は2~3Fの本館と重複した(カテゴリーの重複ではなく、通常の百貨店が1.3館と言う意味で)フロア構成があるのですが、それ以外の会館部分は結婚式場(神前・チャペル)やブライダルサロンや文化教室等のコト提案の場所と駐車場であり、ペイしているかは難しい(家賃では別)ようですが、本館とMDを変更した構成なのです。

珍しいと書いたのは、本館自体のフロアゾーニングは一般的な百貨店なのですが、8Fに向かうエスカレータが向かい合わせではなく、催事場に合わせてずらした配置になっているのです。通常向かい合わせの2基のみなのですが、7Fから8Fに向かうのに催事場が固定と見越してなのか、お客様の行動パターンを意識してなのか不明ですが、

2.トキハわさだタウン
上記トキハ本店前からバスが出ており、南に向けて約30分程度の郊外にあるSCなのです。バス乗り場の件は前回記載済みで割愛しますが、ここも珍しいSCなのです。まずは池袋西武や東武の様に縦長で3層とも1番地から8番地までの番地表記をしているのです。

但し、番地表記が1~3番地までをベージュで看板を出し、4~6番地の看板は青であり、また7~8番地の看板はベージュとなっているのですが、過日のイオンの家具のコメントの中に記載のように字では読まなく、色の方が判別されやすいので、わさだタウンに来ている事はお客様は認識されているのですから、番地ごとに色を変えて、数字には1-7等のように緑7は1Fの7番地との認識が出来るように変更すべきでしょう。お客様は2Fの黄色8番地のエリアの店によくきているとのリピータの場所の認識を高めるべきではないでしょうか?

また、この館は珍しくグレードは違っても百貨店のフロア構成そのものであり、百貨店廉価版のGMSそのものなのです。トキハインダストリー(GMS)の食品を導入し、衣料品は百貨店のような昔の平場(面積が大きい)まで構成しており、その横から専門店が始まるのです。過去に郊外のSCではこのようなフロア構成のSCも存在していたのですが、現在は珍しいくらい少なく、セントラルの専門店が幅を利かせているSCが殆どなのです。トキハは地元顧客にピッタリに合わせようとしているのでしょう。ピッタリとは別ですが、わさだタウンの現在は合っているのです。

別途、地元顧客はこの店を「わったん」(わさだタウンの略称の様ですが)と呼んでおり、地元に密着(定着)していると言っても過言ではないでしょう。トキハと記載しても英語表記はTOKIWAであり、発音そのものでの表記をしており、これは中々考えた表記方法を用いているのです。それ以外に今回は訪問出来なかったのですが、トキハインダストリーというスーパーも展開しており、このエリアのマーケット全体を包含するような商業施設展開なのです。

3.ジ・アウトレット北九州+イオンモール八幡東
大分駅から小倉駅に戻り、近くのスぺースワールド駅から徒歩数分の所に出来ているジ・アウトレット北九州はジ・アウトレット広島のコピー版であり、同様に隣にイオンモール八幡東も造っているのですが、このスペースワールド駅は元遊園地であり、撤退した後をイオンが全部丸ごと使用したように見えるのです。観覧車は残したままですが、

イオンモール幕張新都心も同様で、千葉が「丸ごと使って貰える千葉本社の企業に」との事で、1/4程度でも十分なのに全部使用する事になり、4モールを作ったのです。JR駅も「作る作る」と言っていて10年弱もかかり、やっと来春に完成する模様です。それまでの計画値(イオンサイドが勝手に作ったのか)とのブレは誰が補填してくれるのでしょうか?(東南アジアの高島屋も、交通機関ノ1年遅れで、初年度の計画が大きくぶれ、公共機関が出来た1年遅れで初年度扱いとしていることも、計画値のブレは経営層の予測の甘さになるといっても過言ではないでしょう。
 
イオンだけでなく、ヨーカドーも各地域との包括提携を締結されてはいるものの、ビジネスには全くなっていなく、お互い大きな投資をしていないレべルなので、大きなマイナスになっていないのが唯一の救いであり、如何に儲けるかの契約が出来ていない(つまり契約前に行政等とのビジネスモデルの構想が無い)のでしょうか?イオンスタイルの南栗橋など(過去のブログに記載)は産官学5社共同でありながらどうしていくのか?不明なのです。
   
また、このアウトレットと下記のイオンモール八幡東はアウトレットとモ-ルのTWINを意識している様なのですが、このブログでも過去に評価しました神戸(三田)プレミアムアウトレットとイオンモール神戸北のTWIN(意識してのTWINではないのでしょうが)は最高にシナジーが出ていましたが、ジ・アウトレット広島とイオンのジョイント(過去にYAHOOにリンクされた東洋経済のオンライン記事に記載済み)もまだこの北九州よりはましでした。

広島もシナジーはなくアウトレットはともかく、イオンの食品売場は最悪でした。この北九州は広島から進化させようとしての実験店舗としてTRYし結果裏目に出たのでしょう。駅前立地と郊外立地の差別化や、競合の有無による対応が出来ないのでしょうか?
北九州には鳥栖を始めとするそこそこのアウトレットが数軒存在し、広島のように中国地方各地から来館するレベルではなく、それなりの競合が無いので山中でも潤っているのです、北海道と同様にアウトレットとしては維持しにくい経済環境と消費者意識があると言えるのではないでしょうか?北海道は交通の便の良い南千歳よりも、郊外の北広島の方が潤っているのはPMの差なのでしょうか?ここも同様ですが、

この北九州は駅に近い処は科学館が陣取り(政治的配慮か)、後ろにOPENモールが並んでいるのです。アウトレットから後ろのイオンモールへの連絡橋もあるのですが、イオン越谷レイクタウンのアウトレットから奥のMORIへ後追いで繫がったペデストリアンデッキの様に屋根が半分しかなく、雨が降ったらまるで濡れるので、役に立たないレベルなのです。何故確実に屋根を作らなかったのでしょうか?これなら作らない方がましでしょう。また、この連絡通路もイオンモール八幡東の手前で1Fに降りさせてモールに1Fから入店といった不便(イオンモール越谷レイクタウンのアウトレットからMORIへと同様)な造りなのです。これは札幌にあるARIO同様(このブログに記載済)であり、何故何とかならなかったのか首をかしげる事例なのです。

アウトレットは一般的なのですが、同じブランド等でも東急の南町田のグランベリーパークとは大違いなのです。駐車場は閑散としており、駅の乗降客も閑散としているのです。駅に近いアウトレットよりも奥のイオンモール八幡東の方が駐車場もお客様も混んでいるのです。イオンモールはいつもの造りなのですが、どう違うのか?アウトレットのパターン化が出来ていない時期なのでしょうか?出来ていなければ出店は止めるべきでしょう。回収には10年以上かかるので、それまでは生みの苦しみ(店長も)になるからなのです。
福岡も北海道もそうなのですが、地方に行けば行くほど一極集中は免れません。それが答え(現実)なのでしょう。札幌市は190万人強であり、その次は旭川市の35万人弱,なのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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