生地 雅之

2022 07 Nov

鶴屋、サクラマチクマモト、イオンモール熊本∔鹿児島リサーチ

先日表記のお店を見てきました。長崎から高速バスで、サクラマチクマモトに向かう途中の通り町筋というバス停で降りれば即鶴屋だったのです。よって、先に鶴屋を。

1.    鶴屋+東館∔NEWS館
鶴屋本館+東館は3つの連絡通路で繫がっている一般的な新館なのです。過日も記載のように全館1MDを2つに割っているので、東館の苦戦は免れません。東館には紳士服2層やラグジュアリーブティックが本館の1Fと東館の2Fに分散されているのです。地方店の苦しみか有名ブランドを導入するだけで手一杯であり、場所はいいなりなのでしょう。

また、催事場には合計の訪問者数と現在滞在されている人数表が電子パネルで表記されており、コロナ対策なのか不明でしたが、何人以下が妥当かまでは判らなかったのですが、商売として催事動員を増やしたい思いとはうらはらで対応が難しい点なのです。上層階のトイレの外壁には「万引き防止」のポスターが張られており、小職にとっては小売業としても百貨店としても初めて見た光景で、珍しい百貨店なのです。
  
それ以外に呉服売場の横の壁に掛っていた額に着物の生地が入れられていましたが畳皺も全枚にあり、売場内の衣文かけに吊るされた着物も同様の皺が目立っているのです。洋服のマネキンなら皺の入った商品をアイロンも掛けないで着せるのは最近で言えば、ユニクロ、グローバルワーク、無印良品、ライトオンやGMS程度なのです。

百貨店でも箱納品のアパレルに一部はあるのですが、一般的には見ないものなのです。イオンリテールのマネキンに着せてある着物や浴衣のVPでさえ、皺は見たこともないのです。基本はハンガー状態での保存なのですからあり得ないのでしょうが、それでも稀に見かけるのです。

市電も通る軌道のある道路を挟んだ向かい側の上通りの入口の角にNEWSと言う建物があり、B1F~2Fまでを鶴屋がテナントメイン(場所貸し)にて展開しているのです。B1F全部にはALPEN-OUTDOORSが入っています。

過去から記載していますように、ALPEN-OUTDOORSは売場造りが実験(検証)中であり、入口の位置、ブランドや自主編集売場のレイアウト等、まだ答えを見出していないのです。まだチェアが試しすわりの出来ない棚の上に置いてあったり、まだまだお客様目線での売場構築のパターン化には至っていないのです。
 
カメイドクロックのALPEN-OUTDOORS等は漸く、ソロキャンプの横に多人数用の鍋などは置かなくなりつつありますが、まだチェアは棚の上に置かれており、試しすわりが出来ない状況が続いているのです。時間が掛りすぎると思うのは小職のみでしょうか?


NEWS館の1~2Fはセレクトショップ等であり、最近2Fにオンワードのオーダー受注店のKASHIYAMAが導入されていましたが、閑散としていました。
 
2.サクラマチクマモト
出来て数年の商業施設であり、バスターミナルのみだったところを周辺含めて、商業施設等に変更されたものです。綺麗なのは当然と言えますが、1Fの大半がバスターミナルなので2Fがメインと判断されたのか、2Fに受付があるのです。殆どバスか市電の来店らしく、1Fの入口を大半方が利用されているのです。
但し、通路も広いので混雑しているようには見えなく実際も閑散としており、B1Fの食部分のみが混雑状態(どこの商業施設と同様)なのです。ここはそれ以上に。

3.イオンモール熊本
このSCは2層であり、それで充分なのです。核店舗のイオンリテールは1Fが半分食品で、残りが住居関連商品であり、2Fがメンズ&レディスの衣料品と子供関連なのです。売上額の大きい食品が面積は1/4程度であり、効率の悪い衣料品や住居関連商品に広い面積を渡し、食品は狭い面積で坪効率を高める手法を模索できる環境を確保されているのです。
衣料品も住居関連商品もこのように自ら面積を小さくし、「如何に少ない品番で如何に高い売上・利益を生む」事を模索して預きたいものです、出来ないと思えばそこで止まりますので。
サクラマチクマモトからバスで30分程のイオンモール熊本ですが、バス内での不思議なCMに出会いました。自動車教習所CMなのです。「モバイルやNETでの申し込みも可能なりました。お問い合わせは電話で」と不思議なのです。まだまだアナログと言う事なのでしょうか?

4.イオンモール鹿児島
この館は3層であり、核店舗イオンから縦長で続き、奥で左折するクエッションマークような字型なのです。イオン核店舗は1Fは食品とコスメ、2Fは婦人&紳士衣料品、3Fは住居関連・子供関係なのです。ここも上記熊本のように食品の効率高められるのですが、他は?
この館こそ偶数階にすべきで4層が妥当でしょう。駐車場に車を止めて、偶数層なら2往復で、2層なら1往復で車に戻れるからなのです。建設経費が掛かるので、3層の方が言われていたのですが、この造りならそう変わりないでしょうから。

5.イオン鹿児島駅前

鹿児島中央駅前のロータリーの駅とは反対側にキャンせビルという大きな多層階のビルがあり、その中にSCではなく、GMSのイオンが入っています。B1Fが食品で、1Fにはコスメ +日用品、2Fにはメンズ +靴、3Fに婦人服∔肌着、4FにLIVING+子供、5FはWATTS(100均)、6Fには公共施設の造りです。珍しく1Fのコスメ+日用品と3Fの婦人服∔肌着が分かれ、間にメンズが入っているイレギュラーな構成なのです。

確かに、駅前に食品スーパーを置く事はこれからの地方ターミナル店にとってはマストになると思われますが、他層は専門店のテナントにすべき立地なのです。勿体ないのです。イオンモール鹿児島は市街地であっても郊外的なので、車社会には当然ショッピングセンター(SC)として必要ですが、駅前は食品スーパー以外はファッションビル(FB)にすべきだと思われます。FBとSCとの違いは、FBは駅前でシングルやDINKSの可処分所得の少し高い層(トラフィックは公共機関)を狙い、SCはFBの卒業生のファミリー層(トラフィックはONE-BOX-CAR等)を意識すべきなのです。

京都駅前や岡山駅前のイオンモールもその意識でのリニューアルがまだまだ必要なのでしょう。この様なターゲットを明確にし、マーケティング&マーチャンダイジングする事がこれからの小売り事業には必要不可欠なのです。これからは百貨店は鉄道トラフィックの活用が必須ですが、GMS系のFBも駅前(特に地方・郊外)​​​​​の活用を意識したビジネスを構築して行くべきなのです。駅前の多層階運営ノウハウが必要ですが、先日の高島屋と阪急阪神百貨店のの資本提携解消はいかがなものなのでしょうか?(TOPの意地のぶつかりあいなら?)


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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