生地 雅之

2022 02 May

ALPEN-TOKYO

掲店は3月に工事中を見に行ってきました。5月末完成の6月OPENの様相でしたが、早くOPENしたので2回ほど覗いてきました。その時はまだ8FはOPENしていませんでしたが、B2F~7FまではOPENしており、B2F~3F半分まではDEPOとして、ランニングや野球、サッカー、トレッキング等のかスポーツカテゴリーの売場でした。

6~7FはGOLF5としてGOLF-BRANDのオンパレードの売場で、その間の3Fの半分から5FまでをALPEN-OUTDOORSとしての唯一の編集平場を構築しているのです。この編集平場ALPEN-OUTDOORSとして、その他は「凄い」としか表現できないALPENパワーの結集の売場なのです。

ALPEN-OUTDOORSは数年前からOUTDOORブームに合わせた展開を始め、柏のOUTDOORの単独の3層の単独店を本店に、数店郊外の商業施設に展開しだしていたのです。初めてららぽーと沼津に訪館した時に見つけ、素晴らしい編集力を見せつけられ、このブログにも評価しているコメントを記載したものです。

素晴らしいディレクターと契約しているのでしょうが、拘りが表現できており、余程OUTDOORやCAMPの好きな人がディレクションしているのが、まざまざと浮彫になっている売場でした。柏本店が最初であれば、ららぽーと沼津の編集力は「素晴らしい」の一言に尽きるのです、

売場自体の面積はそう大きくはなく、柏の本店の1/3以下であり、凝縮された味が醸し出されていたのでした。壁面に有名ブランドのCOLEMANやSNOWPEAKを配し、その横にはシーンでの特化したブランドがないので自社としてのくくりでのSLEEPINGやDINNING等に集約し、中央の平場にはCHUMS等の壁面にはできないブランドを集約した売場なのです。

良く纏められていたのですが、既にその時に話題になっていなしたソロ・キャンプもなく、ディレクターのこだわりはあるものの、エイジの高いディレクター(勿論、キャリア「経験」は重要です)が編集しているものと推測されました。

その後、HOME-PAGEで柏にALPEN-OUTDOORSの本店がある事を見つけ、車で訪店したのですが、OUTDOORの味はあるものの、SKUはほぼそのままで面積を3倍以上に広げている感覚で、こだわりが一気に薄まっている状態になっていました。表現としてはカップラーメンにお湯を入れる際に3倍のお湯を注ぎ、味が薄まってしまい、美味しく食せない常態に感じられました。

この新宿のALPEN-OUTDOORSは上記DEPOやGOLFに挟まれ、単独店ではないのですが、その味を残しつつも、その後話題のソロ・キャンプ(遅いくらいですが)、タキビ、アカリ等のコンセプトを追加し、ららぽーと沼津よりも昇華させたように変化させているのです。

しかし、3Fの半分をDEPOとALPEN-OUTDOORSに二分しているものの、1フロアをどちらかにせず、エスカレータ上り前にOUTDOORSを配し、反対側にDEPOを配している事はまだまだ多層階の展開ノウハウを保持できていない証左なのでしょう。結果、3Fの半分と4~5FがALPEN-OUTDOORSなので、中途半端にしか見えないのです。

そしてタレントでキャンプ好きとしてYOU=TUBEで話題のボッチ・キャンプの「ヒロシ」氏を起用したトークショーまでイベントで企画しての集客を催しているのです。しかし、ららぽーと沼津でのインパクトはこのALPEN総力の旗艦店(ALPEN-TOKYO)の一部では感じ取られませんでした。

このALPEN-TOKYOのALPEN-OUTDOORSは当初の柏本店やららぽーと沼津の様なディレクターの「趣味」でやっている世界(この角度は重要)から、ビジネスへの変化をさせつつあり、ALPEN が違うアウトドア層を狙えるMDを別のディレクターに委ね、売場造りや商品構成等のビジネスをMDのプロに委ねるとユニクロや無印のようにビジネスとしての広がりを持つものと推測されます。このままだと、

その後に、ALPEN-OUTDOORSの展開店舗を数店リサーチしてきましたので、出店における変化(まだユニクロやイオンの食品売場のような完成型ではなく、GMSの衣料品売場や住居関連売場のような実験「TRY&ERROR」途上の様相)の詳細はその時に記載予定ですので、ご一読下さい。

このように小売業は変化していくので、幾度の訪れるとその変化が見えるのですが、「二度と見る必要がない」と判断した館でも二度三度と訪問する事により小さい変化の積み重ねを見つけられる事もあるのです。見つけられない(成長していない)店もあるのですが、上記のお店の様に、最初のインパクトが薄れていくお店もあり、一喜一憂の状況なのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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