生地 雅之

2021 16 Aug

なんと買いにくいサイトか?

ECのサイトを見ていますと、なんと買いにくいサイトの多い事か?
お客様目線で売場(画面)と商品と販売(接客)を見てみると、とてもお客様にとって買いやすいと言えないサイトが殆どなのです。
リアルが緊急事態宣言(巣籠)の中、唯一の買い物の手段とも言えるECサイトに不備があり、もっと売上が増えても良いと思われるのに、全く増えていません。
リアルが百貨店で20%程度も落としている中、ECはせいぜい160%程度であり、20%の中の1%程度しかカバーできていません。

小職のこのブログの前週の「百貨店外商強化の次」にも記載のように、自社チャネル跨ぎ(自社のリアルから自社ECへ)でさえまともには出来ていなく、実売が取れていないのです。
EC担当者としては、リアルが大きく前年割れしている中、150%も130%も伸ばせれば、お咎めなしなのでしょうが、外商を含めリアルをすべてカバーする気概も必要です。
そう思えば、如何に自社サイトが買いにくさ満載なのでしょうか?

百貨店A社のサイトで、財布を探すと、カテゴリーの次の検索をブランドにすると、品番の多いブランド順の表記になってきます。ブランドはABC順か、アイウエオ順か、併用でしょう。
品番が多い順とは一体どういう意図なのでしょうか?

百貨店B社は二者択一のアイテム(こちらのカテゴリーを選ぶ人は反対側は購入されない)で品番数を多く見せたいのか、混載で表示したりして不要なものが混ざり、とても探せないのです。また、商品写真は取引先の転用はともかく、説明文は取引先の表記以下に削除されており、取引先のサイトの方が満足な説明がなされているのです。写真同様そのまま使わせてもらった方が、

リアルもライフスタイル型が未完成(テイスト軸がないので)であり、ECサイトはまだまだ単品購入の積み上げからは逸脱出来ていません。どの百貨店もリアルでさえテイスト軸のあるライフスタイル型売場も出来ていない状態ですが、百貨店C社がライフスタイル型と表し、衣食住の見せ方にサイトをリニューアルされています。しかし、ライフスタイル型で入りやすく、見やすくされているのでしょうがまず世界観がなく、入りやすくしたつもりで、単品の時よりも余計に入りにくくなっているのです。

お客様へのライフスタイル型提案は良いとしても、お客様の購買は居心地の良いテイスト軸の揃った世界観の中での単品の購買の集積(結果コーディネイト)なので、単品のレベルの低さや買いにくさはまず先にクリアしないと売上・利益などは「夢のまた夢」なのです。しかし、テイスト揃えもないライフスタイル型では、世界観(無印良品やラルフローレンのようなそのワールド内では目を瞑って購買しても気に入らないものがない)目線もなく、今までの単品よりより買いにくくなってしまっています。

そこで赤ワインを見ると、ランキングがあり筆頭に白ワインが出てくるひどさで、白ワインでのランキングも筆頭に白ワインが出てくるのです。要はワインALLのランキングにリンクされているだけなのでしょう。しかしロゼのランキングはロゼのランキングなのです。検証もされない常態です。これから修正掛けるなどと言われるなら、もってのほかでしょう。気が付いていないのですから、修正もあり得ないでしょう。出来る訳もないのです。

同サイトでは、ワインの金賞をいくつ取っているとかの表記もあるのですが、どこの地域で、どの種目の金賞なのかも不明で、本当にワインを知っている人はこの金賞は駄目で、この金賞ならとの目線まであるのです。
バイヤーお勧めとか一押し等の表記ですが、お客様側にとって何を見せないといけないのか、何を説明しないと購入されないのかが全く把握出来ていないのです。

過去にアパレルD社にこのようなお客様目線をお話した時に、「これからはスマホメインで、女性を取り込まなければEC売上が取りにくいです」とのお話をさせて預きました。その企業は「弊社は女性社員が80%いるので、自社サイトの買いにくさをアンケート取り改善していきます」との回答でした。しかし、いまだ買いにくさ満載のままで、リアルがSTOPしているので、130%程度は伸びていても、リアルの大幅な減少の阻止までは「夢のまた夢」なのです。
本当に特に他社のサイトで商品を購入されたことがあるのでしょうか?他社のサイトの買いにくい事、それで自社サイトを初めてのお客様のつもりで見直すと、多少は見えてきます。

要は、お客様目線というのは、お客様は買いにくさを理屈で理解されている人はいなく、何か買いにくさ(売場構築や商品、接客等)を感じても、何が悪いのかが判っていなく、買わないで帰り、二度と来ないだけなのです。
プロはそのお客様が何故買わないで帰るのかをプロの業で見つけ、プロの業で改善していくのです。リアルの売場に手を入れると前年比150%も伸びるのは何故なのでしょう。
それまで出来ている・精一杯やっていると思っていた事が実は穴だらけで、手を入れると伸びるのはそれまで出来ていなかったと認識すべきなのです。
この真摯な姿勢が売場改善に繋がるのです。殆ど「自社は出来ています」との回答ですが、

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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