生地 雅之

2021 11 Oct

頑張れ!出版社

最近、出版業界では取次社による配本での消化率の悪化(DBのみではありませんが)が業界を低迷させ、業界そのものが斜陽産業と言われて久しいのです。大手取次2社の大株主でもある大手出版会社は、業界の存続を危ぶみ、商社のアイデアによるAIを使った配本(既存DB)改善に向かう道ではなく、新会社設立による仕組み(そのものの改革)を模索しだしました。その後CCCも。

本当に良くなるのでしょうか?
確かに、出版業界の消化率(店頭消化率のみではなく、製造消化率)は悪化しており、百貨店の衣料品よりも建値消化率は悪いのです。再販が出来ず、正価販売堅持のためであり、適正な配本(DB)不在なのです。ここもGMS同様機会ロスを怖がり、出版社や取次社は自社の利益には目が向いていない証左なのです。

このままだと両社とも破滅の道を辿るのは明白であり、自社だけでも生き延びていく施策を取らないと「みんなが渡れば怖い」業界なのです。そこで各社は身を守るべく施策を打とうとしているですが、1社では何もできないと思っているのです。本当なのでしょうか?

そんなことはありません。
コロナ禍で店頭売上の低減が叫ばれて久しいのですが、コロナ禍でも利益良化の企業も多いのが実情なのです。裏では実売が伸びない中、配本抑制による返本圧縮に向かっていく必要(ローコストオペレーションは企業経営の基本)は当然あるのですが、自社に適した道筋と行動しか結果が出ないのです。

その方法や手順は各社各様で異なるのですが、案があってもできるか否かも各社異なるので、自社にあった戦略と戦術で歩いていく事しかできないのです。まずはここだけでも生き延びる施策(既存改善)でないと新しい道筋(新規による改革)のみでは、新規事業はそう簡単には成功しないので、既存事業㋾切ってからではなく、既存事業を維持させながらの手順でないと難しいのです。崖っぷちの意識を持つために、先に既存を切る場合もあるのですが、無謀です。

ではどうすれば?
モノつくりのプロに徹すべきなのです。業界はONLY-ONEか、NUMBER-ONEしか生き残れないのですから、NUMBER-ONEに成れないとしたら、ONLY-ONEに特化すべきなのです。そのためには頭二つから三つは抜けたコンテンツでないと難しいのです。
ゲームの世界では、過去にはHARD(機械)はぼろぼろでも、例えばスーパーマリオを開発し、このソフトを遊びたければ、ファミコン(ファミリーコンピュータ)を購入しないと遊ばないので、購入せざるを得ないのです。ソニーはHARDの開発(CUBE等)は素晴らしくても、遊びたいゲーム開発が疎かでCUBEは全く鳴かず飛ばずの売れ行きでした。

この様にONLY-ONEコンテンツ開発をしなければ、購入されないので、そのようなコンテンツ開発に特化すべきなのです。音楽LIVEのDVDなどはマニアックな人しか買わないので、価格が維持できていますが、ニッチ過ぎてビジネスになっているのかは不明です。また、ニッチな世界のOEMやODMで繋ぐ方法も一つですが、いつまで保つのか?(買取黒字でも内製化されれば)
それだけ違う(内製化と質が異なる)プロのコンテンツを用意して確実に違いをお伝えしなければ。シリコンバレーの斬新なIT企業も独立当時は技術者(ビルゲイツも)のみで、必要な方は営業不在でも買いに来られたのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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