生地 雅之

2022 18 Mar

店頭リサーチ「小田急線沿線」

毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まっています。既に3月ですので年始ではないので、通常の店頭レポートに戻しています。小田急線のその他のエリア(海老名等)は年始リサーチに記載済で、小田急線沿線は今回はこれで最終です。

157.イト―ヨーカドー大和鶴間店
ここはオークシティと称して隣のイオンモール大和とペデストリアンデッキで繫がっており、古淵駅前のイオン古淵店と同様です。このようにライバル店がペデストリアンデッキで繫がっているのは珍しいパターンであり、古淵店は駅に近い方がイオンであり、ここ鶴間は駅に近い方がイトーヨーカド―なのです。ここも古淵もこのブログに記載していますが、古淵店は行って見て判ったのですが、ここは車で横を通ってびっくりして立ち寄ったものです。繋がってはいるモノの使い勝手が悪い造り(駐車場をくるっと回っての)なのはアリオ葛西とホームズなのです。同じアリオ蘇我とホームズはペデストリアンデッキでまともに繋がっているのですが、

両会社はライバル企業の様に見えていますが、イトーヨーカドーは過去からイオンの事は気にしていなく、イオンのトップがイトーヨーカドーの事を過去には気にされていたらしく(当時はイトーヨーカドーの方が前を歩いていたからなのか?)、ミドルは上を向いているので気にされていましたが、現在は?現在のGMSはお互いの事を気にする余裕などはなく、自社のお客様にとって必要か否かで判断されるべきであり、過去のように「ライバル企業と取引があるから嫌だ」などの余裕はないと思えるのです。

館の構造はアリオ葛西に似ており、IYを中核として専門店が吹抜けの周りに縦に隣接されているのです。売場は閑散としており、敷地内には殆ど活用されていないような店舗引き取りロッカーが設置されているのです。新しい事を始めるのが好きな大手企業(GMSや百貨店等)も結果が出ない事が判ると黙って撤退するのです。ここは作ってしまったので放置か?この様なやる前には結果が判るような事でさえも、

同じセブン&アイグループのコンビニのセブンイレブンの宅配バイクも過去には各セブンイレブンに(実験的か?)数台配置すると発表されていて、四ツ谷本社の足元のセブンイレブンにも2台ほどバイクがあったのですが、殆ど活用されていません。皆さん店に買いに来るのです。マーケット(お客様の行動パターン)を読めていない証左なのです。震災時に東北へコンビニ商品を積んだ大型トラックが何台も出向き(一部のアパレルが東北へ、その後百貨店までも長野に等)、買い物難民を救済した事とは異なる事例なのです。

単にトップが「待っていても駄目なら売りに行け!」との言葉をそのまま実行された様に見えるのです。高島屋新宿店も、当初トップが「横のモノを縦にするくらい発想を変えろ!」がそのまま紳士服売場が多層階に展開されたと聞いていますが同様なのです。余りにも上を見過ぎてはいないでしょうか?現場を熟知しているのは現場なのですから、もっと現場での知見が威力を発揮できないのでしょうか?確かに現場は上のいう事を聞いていれば売上が悪かろうが責任は取らなくても良いのでしょうが、果たしてそのような企業に将来は?よって、小職が提言している「ミドルの教育」が必須になっているのです。

158.イオンモール大和
立地は上記通りですが、ここも閑散としており、このオークシティへ行く前の大和市の掲示板を見るとコンビニエンスストアのトイレが誰でも使えるようにとの公募しているのです。コロナ以降コンビニのトイレが誰でも借用できなくなっており、ここに不備を感じた大和市が動いているものと思われるのです。数回前のこのブログの札幌のアリオ札幌のペデストリアンデッキのようにならない様に、公共は地域を支える小売業のバックアップをして頂きたいものです。

イトーヨーカドーの真似かイオンリテールも衣料品と住居関連の売場を合体させ(コロナ禍で食品以外の両カテゴリーが不振であり効率追求での合体なら結果は出ないでしょう)、「ライフスタイルストア」とネーミングされていますが、ネーミングをかっこよくしただけでは実践が追い付いていない事に全く歯止めも掛けられないのが実情なのです。

残念ですが、イトーヨーカド―を含め、全く小売業の基本が判っていないだけなのです。ただ単に売場に無造作に作った商品を並べているように見えるだけなのです。お客様目線というのは一般的なお客様では把握できないのです。プロの目線で見つける事が前提なのです。素人は嫌だから買わないで、黙って帰るだけなのです。その理由や原因を見つけられるのはその意識を持ったプロでないと無理なのです。

グッズブランディングやコンテンツ開発もままならない小売業に、儲ける(MD)力のあるショップブランディングが出来る筈もなく、ただ百貨店よりPBがましなのは買取(在庫処分で血「損」を出して)でやっている事くらいなのです。在庫処分の損も上が認めているので、現場の知見が生きてはいないのですが、また機会ロスを怖がって(上が儲からなくても機会ロスを嫌う)の多量生産に奔走し、在庫を多く残してのHIGH&LOWによる値下げロス(利益&作業効率)も利益体質の悪化に歯止めが掛けられない事実を裏付けしているのです。百貨店は在庫ロスを怖がってリスクヘッジしているだけなのですが、

159.イオンモール座間
「陸の孤島」なので、駐車場には車が多く、公共交通のバスはがらがらなのです。館はそれなりにお客様はいらっしゃるのですが、

160.相模大野ステーションスクエア
駅ビルであるにも関わらずがらがらなのです。立地的には先日の二俣川ジョイナステラスに近いのですが、3館体制ではなく、2館体制なのですが、感覚的には船橋のイトーヨーカドー並みのように連絡通路を通る事が気にならない位の出来なのです。テナントのレべルは二俣川JTよりも船橋IYよりも上であり、食品との混載に不備があると思われる二俣川JTよりもましなのに、ここはリーシング(ブランドレイアウト)に問題があると考えられます。

161.町田小田急
今回(日曜日)の町田はすごい人出であり、郊外はイオンモール座間でターミナル立地は町田に凄い人出でした。特に家族連れも多く百貨店はここだけになったので、百貨店客は東急TWINSには行かず、この小田急に集約されているのです。食品はもとより婦人服売場までの混雑ぶりは久しぶりに目に触れました。

162.町田モディ
このエリアではほとんどの商業施設がJRや小田急町田駅からのペデストリアンデッキで繫がっており、それでも込み合っているのはこのモディなのです。ここは昇りのエスカレータのベルトに次フロアのブランド名がシールで貼られており、また、4Fから5F(及び5Fから6Fも)へ向かう昇りエスカレータから見える上のフロアのショップ(LOFT)のロゴをエスカレータ上がり框の天井に事前告知し、次のフロアのブランドの認識にも配慮した細工がされており、中々大した素晴らしいものです。このくらいお客様目線に配慮したものは見当たりません。

163.町田マルイ
駅ビルで好立地なのですが、がらがらなのです。

164.ルミネ町田
駅ビルで好立地のルミネですが、多少は込み入っている程度なのです。

165.東急TWINS(EAST&WEST)
元東急百貨店であったのですが、駅からペデストリアンデッキで繫がっていても閑散としており、百貨店層は離れFB客も取り込めていなく、ブランドレベルはそこそこでも中途半端になっています。過日のこのブログのコメントのように、錦糸町や札幌、海老名にも記載しましたようにまともなFBが出来れば周りは最悪の状況に陥るのです。この激戦区にどこが先に手を出すかが重要なのですが、このコロナの状況下においては皆さん手をこまねいているのです。


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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