生地 雅之

2021 01 Feb

富裕層

先日、国税庁、総務省、厚生労働省等の資料を野村総研がまとめたデータをオンラインニュースで読みました。

そのデータは、超富裕層(5億円以上保持)、富裕層(1~5億円)、準富裕層(0.5~1億円)、アッパーマス(0.3~0.5億円)、マス(0.3億円未満)の5層に区分され、超富裕層の資産は8.7万世帯で97兆円、富裕層の資産は124万世帯で236兆円、準富裕層の資産は342万世帯で255兆円、アッパーマスは712万世帯で310兆円、マスは4216万世帯で656兆円です。

そのデータを正しいと見ると、日本の総世帯数は5402.万世帯、1世帯人口は平均2.3人、でほぼ適正かと思われます。1世帯当たり超富裕層は11.1億円、富裕層は1.9億円、準富裕層は74百万円、アッパーマスは4.4百万円、マスは1.6百万円で1世帯平均額は2.9百万円です。

 

日本の人口の15~64歳人口の割合は59.5%で,比較可能な1950年以降過去最低です。15歳未満人口は1521万人で、前年に比べ20万4千人の減少となり,割合は12.1%で過去最低となっています。15歳~64歳人口は7507万2千人で,前年に比べ37万9千人の減少となり,割合は59.5%で,過去最低となっています。65歳以上人口は3588万5千人で,前年に比べ30万7千人の増加となり、割合は28.4%で過去最高となっています。75歳以上人口は1849万人で,前年に比べ51万5千人の増加となり,割合は14.7%で過去最高となっています。

 

百貨店の売上の低迷は、富裕層ではなく、アッパーマス層の一部が減少し、一部富裕層に、殆どがマス層に移行したものと推測され、見えない部分(下着等)はGMSで、見える部分(コートや雑貨等)は百貨店で購入されていた方が、マス層に移行している事に起因していると推測されるのです。勿論、資産や収入源になっても、百貨店層は質を落とした生活のなる人は少数で、殆どが質を落とさず、スーツを年2着百貨店で購入されていた人が、年1着購入に抑え、またはアウトレットでその質のブランドの型落ち商品を50~70%の価格で2着購入されているので、急にロードサイドのスーツ(この人達には不満足)に変わっている人は稀なのです。

 

小職の「百貨店の外商強化」(1月26日付繊研新聞の繊研教室に寄稿の記事「百貨店の外商強化」も、百貨店の得意分野に目を向けるべきと示唆しています。コロナ禍もあり、百貨店でECを伸ばす事よりも、得意分野の外商強化の方がまだ手を出しやすいのです。

外商も強化をと叫ばれて数年、手を出せずに伸び悩んでいました。コロナ禍では外商でも上顧客はまだ維持できているのですが、中間層や下層クラスは、店頭と同様に低迷しているのです。課題はリアル同様「次世代」なのですが、壁にぶつかっているのです。

先日某百貨店が富裕層の買い物をTVで見せ付け、その他の顧客の顰蹙を買った事などは血迷っているとしか言いようがありません。「お客様起点で、考える力もなくなったのか」残念至極の体たらくです。先日このブログでも家電導入の件で褒めたばかりなのに、

富裕層は自分だけに特別扱いをしてくれているくすぐりも重要なのです。この人はこれだけ買っているから、貴方もと煽られえているようで気分が悪いお客様も散見されました。売ってる側に富裕層の気持ちが理解できていない証左なのです。

販売員がいくらポケットに1万円しかなくても、お客様の気持ちを汲み取っての応対が必要不可欠なのですが、既に判らない状況に陥っているのです。この店だけなら良いのですが、これからの百貨店外商が既存で過去やってきており、現在忘れている営業施策も記載していますので、上記繊研新聞をご一読頂ければ幸甚です。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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