生地 雅之

2022 05 Dec

ふかや花園プレミアムアウトレット

10月20日秩父鉄道のふかや花園駅前にOPENした三菱サイモンのアウトレットなのです。JRで熊谷から秩父鉄道で20分程度のふかや花園駅前4分位の処に出来たのです。広大な田舎であり一戸建ての家がぽつぽつと建っている程度なのです。勿論、小職は見て自分の感じるままに忖度なく書いているのですが、素人ではなくプロですので、改善策も当然持っているのです。記載はしていないし今後も、

駅を出るとすぐそこの立地はそれなりなのですが、電車で来られる人は殆どなく車なのです。10月末の平日ではあったのですが、出来たばかりでそれなりのお客様が来館されていました。ワンボックスカー中心のファミリー層がメインなのと、犬等のペット連れの来館も多いように映りました。都心からのバスも。

駅前という点では東急のアウトレット「町田グランベリーパーク」風なのですが、東京と郊外の差で全くイメージが異なります。要は完璧な「陸の孤島」なのです。それでもオープン景気なのか、ラグジュアリーブランドのショッパーを持って帰られる年配方も多く、FBやSCの廉価版クラス等はそう導入されていないようでした。

アウトレット内の遊び場としては、グランベリーパークはボルダリング、アイススケート等をアウトドアブランド企業が運営して親子が楽しめる場所が提供されているのですが、ここはガリガリ君のオブジェ等を見ても、もっと小さい子供向けがメインで、完全なニューファミリー(SC同様就学前のお子様がいる家族)からが中心の様です。いままでのSCのターゲット層なのですが、経済環境の変化を勘案するといままでの手法のままでは難しくなってくるのです。

但し、立地的にはオープン景気を過ぎるとどうなるのか、背筋が寒くなる印象なのです。数か月後に再度訪問して、どうなっているのかを検証してみたいと思いますが。町田はほとんど2層であり、ここは殆ど1層でフードコートのみ2階に作り、片方は上下のエスカレータがあるのに、片方は階段なのです。ここである限り面積は山ほどあるのですから、無理に2層にしないで1層で十分だったと思われます。結局食事して下に降りないとショッピングできないので、お客様を2階に上げる意味は?これこそ「やらないでも判るNG」ではないでしょうか?

数回前にも記載の様に、一般的にはアウトレットとFBやSCとの作り方(構造)は全く逆であり、建築費からしてもこれだけの広大な面積を利用しないで、都心立地の高い家賃でも狭い面積で、多層階の運営ノウハウを持ち、集客力のある地でのビジネスを開発すべきではないでしょうか?これからの小売業にとって、トラフィック活用はマストであり、駅前立地の多層階の運用ノウハウを取得しないと生き延びにくいでしょう。小売業も企業である限り、継続できないとNGだからなのです。百貨店で言う高島屋と阪急阪神百貨店の資本提携解消もどうにかならなかったのでしょうか?

やはり小売業は立地&装置産業なので、如何に少ない面積で売上・利益額を確保できるかに向かって邁進して預きたいものです。それにより、テナントの数や、平場であればSKUの削減にも寄与するからなのです。小売業は立地と在庫が生死を分かつものなのです。売上額の拡大よりも、営業利益額の維持・拡大をメイン目的にしないと、「他に取られるくらいなら自社で」の発想は今後生き残れるのか?売上額を確保してから、儲けるノウハウと考えるのは、儲けるノウハウを取得する事(そう簡単ではない)を舐めているとしか見えないのですが、要は既存売上の拡大に向かうべきなのです。

このアウトレットは当初のコンセプト通り、ラグジュアリーブランドと欧米のスポーツ系のみであり、日本特有のFBやSCの廉価ブランドなどはないのです。当初のアウトレットは百貨店層で、収入のランクが下がった人達に向けて型落ち商品(昨年度版)や大量に残った商品(デッドストック等​​​​​​)の30%オフ等で、殆どの人は生活の質を落としたくなく、ラグジュアリー系を継続して望む人達には適していてゆっくりと見られる場所だった処に戻っているのです。この回帰がビジネスとして成功(継続)するかは様子見が必要ですが、


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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