生地 雅之

2020 09 Mar

「自分ならメモ」の勧め

サラリーマンにおいて、出世は誰もが願う事なのですが、それに向かって努力するかしないかは別として、社長や上司に嫌われては上には上がれません。いくら正論でも、正しいから通る事はほとんどなく、「良し悪し」よりも「好き嫌い」で人事は決まることが残念ながら事実なのです。また回りの仲間や部下に嫌われても、妬まれ足を引っ張られるのです。

 

この様な状況の中で、自分の正しいと思うやりたい事を企業の中で実践するには、出世を諦めて常に正論を言い続け、みんなよりも秀でた結果を出すか、敢えてTOPに上り詰めるまでは実際は知りませんが、一般的に言われる木下藤吉郎のように草履を温め、TOPに立ってから自分の思うやりたい事を実践するかのどちらかなのです。最初は草履を温め、認知されてから正論をというケースもありますが、理解してくれる上司に恵まれないと無理なのです。

 

小職も前職で正論を言い続け、結果を出し、一部上場企業で最年少での取締役に就任したのですが、その後筆頭株主の親会社の商社にM&Aされ、「取締役3名に」との要請に人数枠としてはみ出て51歳で退任を余儀なくされたのです。勿論、正論を言い続けても取締役になれたのは、「正論と結果」を重視してくれた経営の出来るTOPに恵まれた事に尽きるのです。

 

草履を温めるにしても、TOPに就いた時に正しい事が実践できない事も起きるのです。よって、自分がTOPに座るまでの経営者や上司の経営判断や業務命令を、逐一メモを取り、自分ならこうするとの考えを隅から隅まで記載しておくことをお勧めします。理由は「のど元過ぎれば」であり、過ぎ去ったことは、数値は結果として残りますが、その時の現場の実態は忘れてしまうのが実情なのです。

 

よって、TOPや上司の判断をその時の裏事情(判断材料)をすべて把握していない状況でも、自分がTOPや上司ならこのような状況だからこうするとの様な「自分ならメモ」をノートに記載し、自分が昇格する時に再度読み返し、考え方が変わらないものは青字で〇を付けそのままとし、裏事情をより把握しているのと、自分も成長してきているので判断基準が変更になり、考え方が変わったのならその時点での考え方を赤字ででも上書きする事をお勧めします。

 

このメモのノートを自分はTOPに登り詰めるまで残し、TOPに座った時に読み直すのです。これにより現在の立場でも経営を勉強でき、自分の成長とともに考え方も変わって行くのですから、このメモの集積のノートは自分の成長にも役に立つものと考えます。その中身をひけらかす必要はなく、元上司のやり方を批判するのではなく、自分の成長の糧にして頂きたいのです。

 

現在は自社・自店・自分がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。