生地 雅之

2021 12 Jan

年始リサーチ⑤

昨日(1月11日)に下記の館に行ってきました。

お客様目線のコメントであり、事情は忖度したものではありませんのでご了解ください。

 

1.京王吉祥寺キラリナ

祝日の朝一とはいえ、緊急事態宣言の第2回目後であり、閑散としていました、

OPENしたばかりの時のリサーチブログに記載の様に、マークイズみなとみらい同様エスカレータの位置が悪く、勿体ないつくりです。もっと回遊する館なのに、

また、B1Fへのエスカレータも距離が取れずにか、急角度に感じて女性や年配のお客様には厳しいのかも、有楽町マルイのB1Fへも同様ですが、

 

2.コピス吉祥寺

元伊勢丹吉祥寺店の跡地ですが、上記同様閑散としており、FASHIONメインのB館よりも、子供連れでのA館の方が朝からお母さんと小さい子供が遊びに来ていて、まだ賑わっていました。

 

このように百貨店が退店した跡地をみると、出て(退店して)良かった店と、後で入ったデベロッパーのノウハウが生きて、再生している店もあり、悲喜こもごもです

退店した百貨店では維持できないと判断したのは、ここは正解なのでしょう。

退店した後の状況を退店した企業のTOPは見ているのでしょうか?

先日府中も見てきましたが、残念にも近隣商店街もシャッターが多く降りていました。

撤退した百貨店が、他の百貨店の退店跡地への出店とはいかがなものでしょうか?

「家賃を下げて貰ったから」手を出すといった事も重要な要素ではありますが、本来のビジネスでの営業利益の創出が出来なければ、今後の継続もままならないのです。(ビジネスモデルの根本的な藻直しが求められているのです)

ノウハウがあれば、自店の退店や閉店はしなくても、(勿論、研鑽してやり方が構築できるのなら)

 

過去にクライアントから当時上り調子のアウトレット業態のリサーチ同行依頼の話があり、クライアントのTOPから元気な姿よりも「死にかけのアウトレットを案内して欲しい」と依頼され、同行した事がありました。

千葉のアウトレットコンサート長柄ですが、その後1年で閉館していました。そのTOPの見識には勉強させられました。

ビジネスや経営は打率であり、栄枯盛衰ですので、維持・向上させるには日々研鑽しかないのです。打点やホームランンのように一度積み上げると減らないものではありません。気を緩めると奈落の底に落ちていくのです。(アパレルのブランドの企画力やMD力も同様です)

 

3.吉祥寺東急

固定客のお店ですが、上記同様がらがらでした。

百貨店は店名に顧客が付いており、別の百貨店の残存者売上は期待できないのです。

このエリア内の自社と同様の百貨店層を確保して、その顧客中心に維持できるのなら良いのですが、維持できないし、解すしても効果が見えそうにないのなら早期退店も視野に入れるべきでしょう。

 

4.吉祥寺PARCO

ここはPARCOと呼べるレベルなのでしょうか?ひばりが丘よりはましでも、渋谷の素晴らしいカルチュア発信基地との落差は否めません。吉祥寺の人にとってのPARCOはこれなのでしょうが、これで良いのでしょうか?

勿論、地域密着は商売の基本ではあるのですが、PARCOのみでなく、ショップや館のカスタマイズ(ブランディング)とローカライズ(地域密着)の共存は難しい課題でもあるのです。

 

5.アトレ吉祥寺店(+ロンロン市場)

リニューアルした時にも記載しましたが、リニューアル前は吉祥寺ロンロンと別だったのです。リニューアルした後も、ロンロンの名前をアトレ食品に吸収できないくらい力のある食品売場なのです。常に賑わっており、専門的な食材のみのニッチな食材店舗でも維持できているのです。ヒントは盛沢山。

 

6.CELEO国分寺

国分寺では一番ましな館ですが、やはりガラガラでした。

 

7.マルイ国分寺店

上記6同様ですが、6以上に閑散。

 

8.国分寺ミーツ

上記7以上にガラガラでした。OPENした時にもこのブログにも記載しましたが、当時から疑問になっているのが、この館の総合受付が最上階の5Fにあることなのです。5Fのテラスに出る出口脇にあり、5Fまで上がらないと問い合わせ出来ないように映るのです。5Fの公共窓口のみの総合受付なのか、全館のインフォメーションなのかが不明なのです。受付にはインフォメーション、総合受付との記載しかなく、中国語と韓国語の表記が併用されているだけなのです。

 

館の構造も含め、素人の域を出ない構成に対し、作ってから人事を発表し、売上の悪さをその後の長に責任を持たせるのは、ビジネスがまともに成長しないのでは、

過去の松戸の百貨店も同様であり、本部が売場等の基本構成を新鮮に映るように設計して、その後他のリニューアルに目が移行して行く事(構成案を出す担当者が)は、既存数値を守れない可能性が高いのです。

 

売場構成や図面を引いた人が、OPEN後にそのまま責任者として残る人事であれば、飛んだ跳ねた売場ではなくても、数字を確保できる売場にすることでしょう。

新鮮な売場を作って、売上が確保できるのなら、素晴らしいリニューアルなのですが売上(本質は利益が)が維持・拡大できないレイアウトなら、「仏作って魂入れず」になっているのです。構成を考え、図面を引いた自分ならできるので、部下もできるとの自社の社員を高い評価しているのか不明ですが、

 

9.立川伊勢丹

流石立川一番店です。多少お客様が入っていました。食品も同様。

 

10.パークアベニュー

上記8同様ガラガラです。

 

11.立川高島屋

上記7同様閑散です。ユニクロがららぽーと立飛に抜けてからどんどん低迷しているように見えます。立川高島屋SCと称しても、カスタマイズやローカライズ(地域密着)もほど遠いのです。

 

12.立川ルミネ

ファッション売上では立川伊勢丹を上回る勢いで、まして食品迄強化されてきては、

立川駅前の好立地で、百貨店には手ごわい相手なのです。顧客層は根本的には異なるのですが、重なる女性客が移行しているのです。

横浜でも東口のそごうの手前にルミネが、西口の高島屋の前にはニューマンがあり、トラフィックの持つ強みを遺憾なく発揮しています。過去、地方は駅から離れて作られた旧商店街を後発のマルイやそごう・西武等が駅前を抑え、地方商店街を圧迫していたのですが、交通系(JRや東急等)は、駅前の地下街を含め、それを上回るパワーなのです。

 

13.グランデュオ立川

ルミネの反対側(南側)にはモノレールの駅(北側は伊勢丹横)も作られたのですが、未開発状態であり、閑散としていました。

 

14.イオンモール多摩平の森(豊田)

イオンリテールも食品しか展開していなく、撤退店舗も多い館です。

 

15.西友豊田店

食品のみ多少お客様が入っていました。西友は約300億円で投げ出されるのが理解されるくらいのMDであり、安い食品以外は魅力がない(それも外国人中心)ようです。衣料品は「安かろう悪かろう」のレベルなのです。

首都圏の西友は一等地にあり、大手が手を出すのは当然なのです。但し、WALLMARTのMDのEDLP(エブリデイ・ロー・プライス)などは日本では通用していないのです。UP&DOWNする日本のGMSの価格戦略に翻弄され、GMSのダウン時の前には西友のEDLPは「海の藻屑」なのです。(GMSの作りすぎが是正されれば別なのですが、自店の販売実力の把握はまだどの小売業でも至難の業なのです)

ユニクロまで過去の週末のみやっていたUP&DOWNを一旦辞めていたのですが、最近は週末のみとしないで、1週間単位で実施してきています。モノづくりのグレードと価格のバランスには西友では太刀打ちできていないのですが、これをやられては、

この価格のUP&DOWNはユニクロのブランディングの崩壊に向かっていると思われるのですが、

全体的には首都圏は立地が良いが、多くは耐震工事の必要と見える西友に手を出しても、三井不動産のコレド日本橋のように、オフィスビルやマンションの展開をすれば美味しいビジネスなのです。但し、百貨店レベルの不動産投資では桁が違うので、本気で不動産事業に向かないと火傷どころではないのです。(小売りはあってもSHOW-ROOMING程度までか?)

 

16.八王子OPA

改装計画中との表記が多いのですが、かなり撤退店舗がでています。食品も含めガラガラです。このOPAにイオンがオネットスーパーを過去に仕掛けていましたので、リサーチし小職の顔のブログにも記載しましたが、全く稼働しているようには見えません、放置したままの様です。まず場所が2Fのぺデストリアンの入口から入ったエスカレータの裏側で、判りにくいままでした。

 

 

17.CELEO八王子

元は八王子そごうの跡地ですが、今の方が活性化しています。(地域一番店です)

ここはいつも提言していますように、百貨店層は小売業全体の4%程度であり、そのエリアには一般的な層(FBやSC層向け)は額でも倍以上存在するのです。その顧客層に合わせたMDの店舗は必然なのです。このエリアで百貨店は立川伊勢丹のみで十分なのでしょう。

 

その他(業務の合間の時間でリサーチ)

18.西友行徳店(1月5日)

食品以外ガラガラ

 

19.錦糸町アルカキット(1月6日)

ユニクロはそこそこでしたが、それ以外はガラガラ

 

20.アキバトリム(1月7日)

上記19同様

 

21、秋葉原アトレ1(1月7日)

上記19同様

 

22.スーツカンパニー秋葉原アウトレット店(1月7日)

閑散としていました。

 

23.ソラマチ・東武スカイツリー(1月7日)

上記18同様

 

24.京王新宿店(1月9日)

上記18同様

 

25.小田急新宿店(1月9日)

上記18同様

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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