生地 雅之
百貨店の正月休業について
昨今、百貨店の正月休業が各社から発表されています。本当に小売業としては正しい選択なのでしょうか?
確かに従業員の休日を増加させることは、就労の安定を望む事には適している様には内りますが、売上と利益を得たい小売業にとっては本当に妥当な策なのでしょうか?
元旦や2日に店頭リサーチを実施している小職から見ると、その2日間での商業施設は買物客に溢れており、勿体ないの一言です。
過去にも記載しましたが、元旦営業をしている商業施設(ラゾーナ川崎やテラスモール湘南等は買物客に溢れ、百貨店のそごう・西武も大変潤っているのです。
また、立川地区の百貨店は閉店時間が19時30分であり、それ以降20時までのルミネからショッパー(買物袋)を持って出てくる人の多い事。
2月や8月の1日当たりの売上額の低い日を選び、休日にすることにより、従業員の人件費は年間変わらず、売上が多く確保できるのです。
コンビニや食品スーパーの無休や24時間営業を見ても、何故奏しているのか?1日や2日の休みで帰省もままならず、従業員の休暇を増やす事で、就労の安定性を求めているのは正しい選択なのでしょうか?
過去には正月の売上や利益が多く確保出来るとして、正月手当も出ていました。現在は殆ど出している企業も少なく、儲けられない(出せない)から、休みにするように見えます。もし、どのくらい出せば出勤が多くなるのか?
現在百貨店は消化(場所貸しで販売員迄取引先から)のビジネスであり、2日休業すれば営業している他店に応援で回されている販売員は売れるから回されているあり、その売上は応援させれば少しでも取れるからなのでしょう。
また、過去に業界紙に上記の意図を持ったコメントを掲載しようとしていたら、某アパレルの(当時)社長が、「取り下げてくれ」と言われ、理由を聞くと、「元旦営業のそごう・西武に派遣されると休めないので採用しにくいから」という理由だったのです。
もし、過去のように正月手当が出ていれば従業員は出勤するのか?それで儲かるのか?また、小売業の経営者として如何に儲けるのか?を貪欲に計算した策を打って頂きたいものです。
いままで、殆どの百貨店の経営者(スタッフ系TOPが大半の)が押されているように正月休業を発表し、まだ正月休日を発表していない営業(経験・実務)に長けた百貨店の社長が多勢に流されない事を祈るものです。
この結果を見ると小売業のシェアの小さい百貨店の中に埋没して、仲間でつるんでいるようにしか見えません。どこか1社でも考え方が違う企業が出てきて欲しいと願うのは小職だけなのでしょうか?
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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