生地 雅之

2021 27 Sep

頑張れ!百貨店

昨今、百貨店が斜陽産業とか行き詰っているとか、否定的な見解が飛びかっています。
本当なのです。しかし、現在の百貨店の社員は入社時には夢を持っていたのです。いまでも夢を持っていらっしゃる方も沢山いらっしゃるのです。その「夢」を具現化して行きましょう。しかし、現在は間違いなく斜陽なのです。

では、何が斜陽なのかというと、小売業という「お客様に向けてのビジネス」なのに、お客様の目線や声に耳を傾けなくなって久しいのです。お客様の目線や声などは本当に「言いたい放題」なのですが、その声を受けて「どう自社のビジネスに、結び付けられるか?」を忘れてきたのです。百貨店が売っていたのは「希望」でしたが、いまや「商品」でさえ売れていません。

「お客様の声」に耳を向けていると言われるでしょうが、結果が出ていないので、何を言っても無意味なのです。これから何をすべきか?が重要であり、粛々とお客様の声を「マネタイズ」しないと生き延びないのです。「先義後利」の「後利」が欠けているのです。

お客様の目線や声はとても重要なのですが、表層的な受け止め方のみでは、お客様は何を望んでいるのかを把握する事が不足しているのです。お客様は本筋を頭では理解していなく、モノやサービスを購入されないのは、モノやサービスの「良し悪し」で判断するのではなく、「好き嫌い」で判断されているのです。

いくら理屈が正しくても、嫌いな店(買いにくい店)では購入されなく、好きな店(買いやすい店)で好きなものやサービスを購入されているのです。そこに気づけば、お客様の行動がすべてを表しているので、対応はそう難しくはありません。確かに、お客様の今までの行動パターンで今後の慣習的動きはAIでも判るのですが、将来のお客様の気持ちの変化等は測る術がないのです。

いつものように朝出勤途上に、暗い顔で駅まで歩くときに、朝家を出る前に娘から気持ち良い言葉を掛けて貰った等で、気分は一気に高揚する事もあるのです。このように人間の心理は僅かな事で変容するものなのですから、ある程度のパターン化はできるものの、個別の変化は把握する術もないのです、要は意識を持ってお客様一人一人の行動を見て、個別対応すべきなのです。

小職は個別百貨店等の応援者ではありませんが、自社を、自部を、自分を良くしたいと思って行動している方(WILLを持っている人)を応援しているのです。業界の出来ていない点を指摘していて、直球論者ではありますが、考え方の提案をしているのです。依頼されれば具体策まで。現在、気が付いていなく「よいしょ(忖度)」ばかりされていては見えるコトも見えません。常に「よいしょ」をされていても、地に足をついている人もいらっしゃるのですが、まず稀なのです。

今や業界は苦言を呈し、綻びからでも修正していかないと、抜本的には改革どころか、改善も不可能です。時間は少ない状況ですが、各自が自分の出来るコトを粛々とこなして行く事が必要不可欠です。そのためには、経営者はVISION(GOAL)を明確に、自社の立ち位置の確認(前回のブログ参照)を的確に、そしてミドルを使って、GOALにまっしぐらに走る事が必須です。

まだまだ諦める必要はありません。企業全体が1枚岩になって、ビジネスをもう一度見直す事が必須です。現状のままで、台風が過ぎ去る事を待っていては埋没していきます。
「皆で渡れば怖い」時代なので、自社の進む道は自社が決めるべきなのです。誰も助けてはくれません。

何故、「三現主義(現場・現物・現実)」はどこに、
何故、「先義後利の後利」はどこに、
何故、「利は元にあり」はどこに、
このような原理原則は昔の言葉ではなく商売の基本であり、読み違えているのではないでしょうか?

まだまだ自社・自部・自分で出来るコトは沢山あります。
百貨店業界はコロナ禍でもあり、3.5兆円に目減りしても、まだ3.5兆円もあるのです。0ではないのです。マーケットはまだまだあるのですし、深堀すれば奥は深いのです。諦めないでやりようはあります。もっと模索し、アイデアを出し合い、討議の上、直線を走りましょう。現状のままなら消失しても誰も驚かないのですが、一人でも二人でも立ち上がって頂きたいものです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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