生地 雅之

2021 26 Apr

代表取締役の異動

4月14日に三陽商会の代表取締役の異動が発表されました。代表取締役副社長の代表権が外れたのです。代表取締役は社長1名にしたのです。理由は迅速な判断を行うためと公表されています。しかし、現場に上(VISION)に向かせて仕事をさせられていないのでしょう。現場の意識次第では、某百貨店のようにTOPが交代した途端に蘇る事も出来ない訳ではないのです。要は現場力を手に入れれば十分に再生可能なのです。出来ないと思っていないと思いますが、方法が見えないのでしょうか?

 

三陽商会は既報の通り、三井物産系の実力者でゴールドウィンを再建された方が三陽商会に入り、再建に向けて汗を掛れていたのです。再建案は素晴らしく、既存事業がシュリンクしても既存事業で黒字化を目指され、「隣の芝は青い」といった新規事業に打って出ない姿勢は評価していました。また、コロナの影響を2段階で読み、それなりのストーリーのある再生プランであったのです。アパレルでもこれだけの再生プランを立てられる人は見当たりません。

 

しかし、その後希望退職も2度にわたり実施せざるを得ないくらい再生出来ていないのです。理由は、経営にはヴィジョンの正しさ、つまり企業の向く先が正しくないといくら頑張っても答え(結果)など出ないのです。方向はおおよそ向きが定まっていれば角度の1度や2度の細かいブレは気にしなくて良いのです。企業の幹部(部長以上)は一人で会社に逆らって逆を向いて走る人はいなく、放置しても良かれとの方向に向かうものなのです。

 

問題はおおよその「再生プランが正しいか否か?」、それが正しいとして「出来るか否か?」に掛っていると言っても過言ではないのです。「出来るか否か?」については、戦略以前に、ヴィジョン(方向性)を維持できうる組織と適材適所の人材配置、そして業務の結果を正しく評価できる人事制度と運用のガラス張りが必須なのです。三陽商会は出来る人材不足なのでしょう。こうなればリストラを思い切りして、外部の優秀な実行部隊を雇う方法しか残っていません。

 

もう退路は断たれているようにも見受けられますので、引責辞任の道筋を引いているのではとも推測されます。要はTOP1名が責任を取る為に、生え抜きの代表取締役を外したようにも映るのです。三陽商会の行く末は噂通りの売却か清算か、再生できるのか?まだまだ諦めてはないのでしょうから、上述のように、実行出来うる人材(現場に精通し、モチベーションを上げながら成長に向かえる人材)を雇う事ができれば十分です。います。自分が出来ない事を認める事から始めるべきなのです。いまからでも遅くはありません。基盤は素晴らしい企業なのですから。スピリットを吹き込めば、

 

最近、東洋経済やダイヤモンドでは、広報や大江社長のコメントを記載し、企業側の方便をそのまま掲載しているように映りますが、果たしてその通りなのでしょうか?広報は聞かなければ不都合な部分は回答しません。聞いても即回答しないで、後で調べて連絡すると言った場合も多いのです。但し、嘘は言わない(言えない)ので、鋭い突っ込みをすれば、それなりの回答をせざるを得ないのです。記者の腕頼みなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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