生地 雅之

2021 29 Nov

頑張れ!GMS-2

前回の「頑張れ!GMS」の後、再度イトーヨーカドー八柱店に行ってきました。何も変わりがなく、酷い状態は変わりがなかったのです。しかし、イオン瀬谷店で背の高い什器は売上が取りにくいと記載したのが利いたのか、イオン新浦安の2FのICの売場(インナー中心)の一部高さが低くなっており、商品が見やすくなっていました。

いままでパックに入った下着が5段になっていたものが、4段になっており、商品量が少なくても見やすくなっていました。変化があったのは5列のみですが、その両サイドに什器は変更できにくい什器であり高いままでしたが、中央の5列が低くなって素晴らしい開放感がでており、当初の圧迫感からは逸脱出来ていました。

売上の増減は確認出来てはいないのですが、お客様は前回誰もいなかったが、今回は多少は入っていました。過去にはイオンリテールが売場のマニュアルが整備され、平場についてはハンガー(衣文かけ)がすべて左を向いており、日本人の左利き(9%)比率に適した右利き用売場ができており、素晴らしく評価した(過去の小職のブログにも)こともあったのですが、

その時にも記載したのですが、ハンガー(衣文かけ)は左向きでも、パイプハンガーの前と後のエンド2枚にはインナーをセットしたコーディネイトして、外向きに提案する事等ができれば、もっと簡単に売上が取れます。意図は小職の著書や過去のブログにも記載済みですが、ここまでは現在の売場では徹底不可能なのでしょう。でも、出来るところまではその時は改善されていたのです。その後の維持は出来てはいませんが、

要は、GMSはもとより百貨店でさえ無人販売の売場を構築すべきなのです。お客様が黙って商品を見やすく、手に取りやすくし、自分でレジまで持っていける売場こそ、売上の機会ロスを大幅に圧縮できるすべてなのです。リアルのCVRは20%弱ですが、百貨店は販売を駄目押し(確定させる)すべく、販売員が存在するべきなのです。まずは無人売場の構築が最優先されるべきなのです。百貨店での無人販売売場構築の必要性の理論と方法論は別途、過去にも今後もどこかで記載。

また、その確認時期と確認すべきチェックポイントの定例化こそ、自社・自店の売上向上に向かうべき道筋の一つなのです。売場も商品も「精一杯やっている」ので、これ以上良化させる事は難しいから、新規顧客獲得に向けては、100年(ここは言葉の綾)も早い事なのです。そちらの方が新たな商品構築も必要であり、既存MDに加える必要もあり、既存の面積では至難の業なのです。無駄なMDの圧縮をすれば可能ですが、まずは既存の見直しを、

百貨店での無人販売売場構築が「お客様の満足度を低下している」と考える事は間違いで、お客様に見やすく、判りやすい、手に取りやすく、買いやすい売場構築のどこがお客様の満足度を下げる事になるのでしょうか?現在の何も気を付けていない売場を放置している事の方がお客様を無視し続けている事に等しいのです。GMSも百貨店もまだまだやりようはあります。

そのためには、自社・自店の売場がどう構築されるべきかの目線を持った「マニュアル」が必要なのです。この売場構築マニュアルは「どうありき」「どうすべき」の目線が必要であり、いつでもご相談下さい。過日も記載の様に、このような視点で売場に手を入れると前年比が大きく向上する事とは「売場は精一杯やっている」ので、大きく伸びはしないと言い続けている事とはどうリンクするのでしょうか?このマニュアルでの売場を維持させる運用が不可欠なのですが、

衣料品売場構築の基本を理解されて、実践に移せる人はもう不在なのでしょうか?独学でも「自分がお客様」なのですから、その目で売場を見れば如何に「見にくい、買いにくい売場」であることに気が付くのです。リアルもECサイトも同様なのですが、自ら買ってみれば、他店や他のサイトで買えば「買いにくさ」は一目瞭然です。その目線で「自分の売場やサイトではどこに何があるのかが判っているから」とは捨てて、初めてこの店やサイトの訪問したとして見直せばわかる事なのです。売場から「買わないで」との悲鳴が聞こえてくるのは小職だけでしょうか?これが出来る人なら売場構築のプロになっているでしょうが、一般的には気付かないのです。

最近、久しぶりにイトーヨーカドー木場店(過去は衣料品をしっかり売るみせではなく、しっかり売れる店でしたが)​​​​​に行ってきました。9月30日にリニューアルオープンし、売場を触ったのですが、衣料品売場と住居関連売場が一体となって、「ライフストア」と名付けて、平場の集約を行っていたのです。何でも衣食住を纏めれば「ライフスタイル」になると思っているのか、酷い売場でした。レディスはブランド毎のサインも上げ、いままでのような低い什器でそう変化(この方がまだ正解)​​​​は見えなかったのですが、メンズと雑貨の売場は前述の八柱店のような黒い背の高い金属什器のオンパレードで、いままでよりも大幅に買いにくい売場に変化していました。当然KENT等のブランドもその中に埋没していて、味も出ていません。

過去にイトーヨーカドーはたまプラーザ店、大和鶴間店などで、新しい売場を作られ拝見したのですが、その後の八柱店やこの木場店とは全く異なるのです。セブンイレブンの什器レイアウトの変更が上手く行っているのなら踏襲されていくと思うのですが、広がってもいません。ここもERRORの繰り返しなのです。このERRORは売場構築の基本が判っていれば手を出してはいない筈です。何度やっても結果が出ないのは基本が判っていないからなので、ミドルの責任者をいくら変えても結果は出なく、そのうち体力が疲弊して、売場縮小・事業撤退・売却・清算に向かう事でしょう。いつ気が付くのか?

百貨店もそうなのですが、平場が通過点であることは必然なのですが、売場構築の基本(お客様にとって、見やすく、判りやすく、買いやすい)は当然であり、ライフスタイル売場に括ろうが括り方(MD)とは別モノなのです。百貨店も自社のディレクター目線でのセレクトで平場を作っていた時もありましたが、今はメーカー1社に任せ、その中に他社の商品を巻き込んでいるだけであり、各社売りたい商品を持ち込むので、テイスト編集できる人(ディレクター)が不在で、監修もできていません。

逆にSC等の商業施設が平場に手を出し、過去でいえばららぽーと東京ベイの南船橋からペデストリアンデッキから入った2Fの平場等は百貨店の1Fのブランド別コーナー型平場のアクセサリー売場をそのまま作って、立地は良かったのですが、手法が既に斜陽となっていた百貨店の「ぱくり」でお粗末でした。その後、ららぽーと湘南平塚ではTHREE-S(湘南シーサイドストリート)という平場を見つけ、壁面のブランドショップから中央の編集平場に適した商品をまとめた素晴らしい平場を構築しています。(売上が好調かは不明)

また、ららぽーと沼津ではALPEN-OUTDOORSができ、壁面の半分にCOLEMAN、スノーピーク等のブランドショップを配置し、壁面の残りの半分にSLEEPINGや、DINNING等の自社編集コーナー(箱にすべき適した1ブランドが無かったのでしょう)があり、中央にセレクトした商品群の平場(CHUMS等)が展開されているのです。素晴らしいものです。本来セレクトショップがやっていたSC版(THREE-SもALPENも)なのですが、進化版です。

このALPEN-OUTDOORSは本当にUTDOORの好きなディレクターが編集しているのが一目瞭然でしたが、ディレクターのエイジが高いのか、その時に既に話題になりつつあった「ソロキャン」等はなく、客層が違うと判断して、意識してMDから外したのは不明ですが残念の極みでした。柏にある大型のALPEN-OUTDOORSは過去のこのブログに記載の通りです。水を入れ過ぎたインスタントラーメン状態から、最近は少し味付けが濃くなりつつありますが、この沼津のレベルには至っていません。(MDに適した面積ではない=大きすぎる)企業やこのディレクターがショップブランディングとグッズブランディングを弁えているのかは不明なのですが、

話を戻して、各業態での平場は現在必要不可欠とはいえ、MDでは編集できるディレクターの配置、売場は上記のように、お客様にとっての見やすい、判りやすい、買いやすい売場構築をすべて(食料品まで)意識していないと売上などは取れないのです。商品の変化とは全く関係はなく、別物なのですが、上記記載のイオンリテールの方がイトーヨーカドーよりも多少意識はあるのでしょう。

どちらもショップ(暖簾)ブランドはそれなりに強いのですが、活用ができていません。特にイトーヨーカドーは店舗名そのものに使用されイメージも高いのですが、MDや売場構築力に難がありますし、イオンは親会社の企業力が勝っており、イオンリテールの名前は全く出てこなく、食品スーパーとしてもイオンそのものやイオンスタイル、その他の個別名称を多用し、全くバラバラの展開なので、「勿体ない」の一言に尽きるのです。これから修正すれば、

「イオンスタイル」は現在の「トップバリュ」(4種)や「トップバリュコレクション」等を止めて、将来「衣・食・住」を包含した1ブランドPBに使用すべきネーミングと考えられます。イトーヨーカドーも同様に「衣・食・住」のPBの1ブランド化も必要と思われますが、この1ブランドPBの全体構築・運営が出来る人がイオンにもイトーヨーカドーにも不在ですなのです。単品の開発力はそれなりに出来出してはいるのですが、まだ道はあります。

イオンは地域密着型との事で、「そよら」の1号店を大阪福島の海老江に作り(過去に小職のブログにも記載)、少しは広がりつつあるのですが、南行徳には10月29日OPENした「そこら」の店名もでき、ばらばらでショップ(暖簾)ブランディングができていないのが残念です。恐らく店長の発言力が強い店は本部コントロールが利いていないのでしょう。イトーヨーカドーも店長の意見が強いのですが、MDや売場作り等には口出ししても、店名まで好き勝手には出来ないのです。これは前総帥の鈴木氏の教育(考え方)が徹底・浸透していたのではと推測していますが、

明日から6日連続で「百貨店の再興」を掲載します。お楽しみに。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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