生地 雅之

2023 06 Mar

ワープ

小職のコメントは、一部の企業や人間に忖度したものではありませんので、ご了承下さい。
このブログの店頭リサーチというタイトルのコメント(体験・体感)もご注目下さい。

最近、EC化率が低い企業も散見し、EC業界では既に10%や15%どころか30%に喃々としている企業も存在します。「自社はリアルに強いから、ECが伸びないのは仕方がない」等の言い訳も多く聞えてきます。しかし本当でしょうか?

小職は「最近EC売上はリアルと拮抗するもの」との提言を言い始めました。理由はリアル以上のメリットを消費者に与えられたら、時間・運賃等の消費も不要なのです。触れないや着用出来ない等の不便をクリアできる利便性(メリット)が必要不可欠なのです。

勿論、リアル売上を落としてではなく、最低維持させての話なのです。よって、担当者はリアル売上が伸びたからや、落ちたから等に一喜一憂しないで、自らのEC売上を伸ばすようにすべきなのです。小売業のパイは増えないとして、そのためにはどうすべきか?他社のパイを食ってでもの生存競争「生きるか死ぬか?」なのです。

百貨店層やFB&SC層、GMS層はそう簡単には異業種への暖簾跨ぎは少ないので、まずはまだ可能性がある同業種内の他社のパイを奪う事に目を向けないといけないのです。そう簡単ではありませんが、(「リアルは精一杯やっているのでこれ以上無理」を見直すべき)、その売場に「小職が手を入れて改善をすると前年比が大きく伸びるのは何故?」(精一杯やっているとは「嘘」なのです)

そのためにも、まずEC業界の平均値までに押し上げておく必要があるのです。現在の百貨店やGMSはEC化率は3%以内であり、すべてECとしては平均値以下で、何が問題かは、業界の平均値が見えていなく、知見のない自社内でやろうとされているからです。

業界の売上率的にや技術的にも平均値を知っている人間は社内に不在なのです。業界のすべてを1人で把握できている人間は社外にも不在ですが、各PARTSの専門家(先駆者)は存在しているのです。その専門家を集め平均値を知る事により、平均値にワープするのです。

「知見こそ外部から」に尽きるのです。社内で「気付き」の出来る人が存在するのでしょうか?話を聞いて「なるほど」と納得されても、最初から気付いている人などありえないのです。これは一鳥一石にできるものではなく、例えば、社内で他の社員を褒める人は其の人の何処を見ているのでしょうか?

話を変えて、PB化を社内で出来るようにするのにも、ミドル(代表権のない取締役~部長以上)の教育が必須なのです。優秀な部下がいても、その提案を判断できるミドルの頭が固ければ何の意味もなさないからなのです

GMSはある程度出来てはいるPB化(在庫処分の血を流しての営業利益率が物を返せる百貨店と変わらないのでGMSの方がまし)も、百貨店ではまだまだなのです。買取を避けていては何もできません。小職がいつも提言しているように、「自社・自店の販売実力の把握がすべて」なのです。

SPAを成功させたセレクトショップ(セレクトと言う名前はもう合ってはいませんが)が、どうしてできたのかを研鑽せずに、買取PBを無闇に増やしても何も生まれないのです。(小売業なのに売り切る力が不足しているのです=販売実力に沿った適量の仕入れも)

今や、彼らが出来ても自らは出来ないのです。同じ過ちを繰り返さないで欲しいものです。要はEC同様に先駆者が存在するので、少なくとも先駆者のやり方を「見よう見まね」で研鑽し、そのままでなく自社に合うやり方で応用すべきなのです。ここまではワープすべきなのです。

その後は同一線上に並び、一進一退になるのです。それでも先駆者に「一日の長」はあるのですが、並ぶまでは出来るのです。また、ECに優秀な人をあてがっていると言うのは「嘘」です。リアルが97%の企業で、優秀な人を3%程度にあてがう筈はないのです。「会社が潰れるからなのです=自分が経営者(TOP)ならそうはしないのです」

因みに、横浜都筑区のモザイク阪急とノースポートモールの間に数年前にできた新商業施設が、数年で無くなった事があるのですが、そのオーナーはDBの営業マンに素人を雇い、金があるので一から育てる余裕があるとしていたのです。しかし、既にDBはルミネやPARCOを始め、三井不動産商業開発(ららぽーと系)やイオンモール等の先行企業がノウハウを持っており、後発の素人が資金があるからだけで勝てる筈もないのです。当然淘汰されていったのです。

よって、ECを「二本目の柱」設定する企業はそれなりなのですが、伸びたらラッキー程度の企業では、将来はあり得ないのです。よって、外部からの流入が最初は必須なのです。但し判断するのは自社であり、小職などはその面接(価値があるか否かの見極めに)にも立ち会うのです。

今迄のセレクトショップのPB化は商社を有効に使い、PB化を作り上げてきたのです。それには確固たる戦略(あるべき姿論)が存在するのです。何でも自前主義では何時まで経っても業界の平均値にも到達しません。すべては物まねからスタートし、自社に合わない部分(考え方等)は自前で変えるべき(作業は外部ででも)なのです。

商社(アパレルでは特に繊維商社)を軸にトレーニングを積み、いつまでも「おんぶに抱っこ」状態ではNGで、何時かは自力なのです。助走こそ他力を買うべきなのです。すべてOEMやODMではなく、使う側から研鑽する側になり、自社の不足部分を補足して預くのです。

小売業はお客様には頭を下げても、仕入先やコンサル等には仕入れや使って(雇って)いるとの思いで、頭が高いのです(表立っては頭を下げてはいるものの)が、教えて貰っている事でさえ、感謝の気持ちが必要なのです。(学校や塾へはお金を払って教えて貰っているのです)使う(教えられる)側に不備・不足(知見の無さ)が多いのに関わらず。

例えば小売業はデータの宝庫でありながら、分析の角度が不足しているのです。「どのような事をやりたいのか?」から、そのためには「どのようなデータが必要なのか?」であり、それが決まれば、今あるデータで「必要な部分はどれで、不足な部分は?」を見極め、不足部分を再度確保し直すのです。

弊社の企業コンセプトの「お客様目線とプロの業」は売場・商品の課題を発見(プロの目線で)し、プロの業で改善・改革するのですが、お客様目線だけでは課題は発見できません。お客様の立場で売場・商品を見るのですが、プロとして「何故買わないのか?」を見つけ、「手直し」施策を見つけて実行するので、結果が伴うのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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