生地 雅之

2022 28 Mar

小売業の成功は販売実力の把握に尽きる

出版業界の紙離れによる低迷の改革のために、過去にもこのブログで記載しました丸紅が出版会社大手3社と新会社を設立したと最近報じられました。その時点では構想の発表のみでしたが、

AIを使って返品率の改善を目指すとの事です。手法はRFIDを付けて、売上と在庫位置の確認を前提としたものと発表されました。過去には書店に既にPOSが導入されているのに関わらず、活用(データの集積は出来ても改善に向けての解析)ができていないので、RFIDを付けての管理と2重投資になり、なお解析能力の無さで効果が出にくいものと推測し、既にPOSを導入している書店に新規に経費が掛かるなら広がりを見せるかは疑問とコメントしたのです。

要は小売業はデータは沢山把握出来ているのですが、改善に向けた解析に不備があると過去から提言しており、今回AI解析もと変わったとしても、このような不備があるとの欠点(売上。利益が確保できない原因)を追求できない限り無理なのです。小売業は買取ビジネス(PBを含む)の比率を上げれば粗利の確保は見込めるので儲かるのですが、自社・自店の販売実力の把握ができれば、買取(最終在庫)も怖くはないのです。

これを活用するのは「人」であることと、「機会ロス」を怖がらず「売り切れ後免」による自社・自店の販売実力の天井(限界)を知る事が重要なので、まずはここが認識できていれば大きく儲けられるのです。ムリ・ムダ・ムラの三無の排除しか生き残れないので、在庫こそ自社の首を絞める最重要課題なのです。出版業界はある意味消化ビジネスをメインにしている百貨店の衣料品ビジネスと同様なのです。

百貨店の衣料品ビジネスは値下げが出来るのですが、出版業界は再販できないので、百貨店衣料品ビジネス以上に正規消化率を上げないと難しいビジネスなのです。よって、出版業界の経営は正規消化率の向上しか見なくても良いくらいなのです。勿論、利益率よりも利益額の確保が前提ですが、自社の維持・存続を目的にする経営を目指すなら、業界動向を意識する事は当然ですが、「皆が渡れば怖くない」からの脱却スタンスにしないと埋没するのです。

要は自社・自店の販売実力の天井を知る為に何をすべきか、機会ロスを怖がらずに「天井」を知る施策を繰り返し、実態把握を早急にすべきなのです。その為にも現在取得しているデータの適切な角度での解析により、限界を的確に把握して、適量に向けないとNGなのです。ビジネスの基本は5RIGHTS&2VMDなので、適正な商品を、適正な場所に、適正な時期に、適正な数量、適正な価格で並べる事に尽きるのです。

それをバーチカル(垂直統合でコスト圧縮)に生産し、ヴィジュアルに見せる(購入されるお客様一人一人に対し、店頭やEC画面で見やすく判りやすくお伝えできる環境造りとお伝えする手法(プロモーション)に徹する事で成り立つものなのです。このような流れを的確にレイアウトし、実践出来る経営こそ成功に結び付ける重要なファクターなのです。「出来ない言い訳」を探すよりも、出来ると前向きに捉え「阻害要因を見つけ、一つ一つ潰していく」以外に道はありません。

このように自社改革の基本は利益を上げる事で、小職が過去から唱えています「トップ(代表権のある取締役)の研鑽」ができないのであれば「ミドル(代表権のない取締役から部長以上)の成長のための教育(ミドルが右向いているのにボトム(部長未満)が左には向かないから)」を徹底すべきと提言しだしてはいます。もっと迅速に社員のモチベーションを上げるには儲ける事(黒字化)が最善(結果オーライ)なのです。意識改革も重要ですが、自分の会社が安定している「社員がいつ会社が潰れるかの心配がない」事の方が重要なのです。


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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