生地 雅之
お客様への啓蒙
現在の百貨店の衣料品売上の低迷は、お客様より高い商品知識等で、お客様を啓蒙できていないのです。商品知識はお客様の方が上だから、余計な発言を避けたり、何かあると「お似合いですね」しか言えない販売員の如何に多い事か?
ジャケットのベントの仕付け糸が表地同色で、表まで抜いていない事による仕付け糸をつけたままで着られている方も沢山いらっしゃいます。白糸で抜くか、売場で切ってお渡しするかをするべきでしょう。大半の百貨店のスーツ催事でさえ切らずにお渡しされているのですから、
カシミヤの素材表示ネーム等の4角縫いも同様であり、売る時に外してお渡しすべきなのです。
スーツのスラックスはハンガーに逆に吊るすので、後ろのポケット袋が垂れ下がってきます。
これは白糸で止めてあります。こちらこそポケットにハンカチなどを入れた時に判る事で十分です。ポケットが膨らむのでモノを入れない人には、表抜きしないならそのまま切らないでも問題が無いのですから、
付けたまま着ても法律違反でも死ぬ訳でもないのですが、知らないで着ている人が気付いて恥ずかしく感じたらアドバイスしてくれなかったその店には、二度と来られない事も発生する可能性を含んでいるのです。
最近、館(百貨店やファッションビル、ショッピングモール等)のロールプレイング等の技術指導を多くされていて素晴らしいのです。
しかし、商品だけでなくVP(売れ筋のディスプレイが多い)まで同質化していますので、各ブランドショップの個性を表現し、差別化しないと同様に見えるお店が店名が違うだけで沢山並んでいるに過ぎないのです。
本来もっと企業側に差別化の商品を求め、表現までブランドの個性が出るように依頼し、その上、館は全ショップの販売員に指導するとすれば商品知識なのです。これも本来は企業側が実施すべき内容ですが、出来ていない企業も多いのが実情なのです。
リサーチしていますと、見たらわかる程度(これはボタンダウンです)の事を一生懸命説明してくれたり、それがなんと間違っていたり(ダンガリーをデニムと称したり)している事も多々見受けられます。
販売員は見た目で判り難い事(このスラックスは綿100%であり、水洗いしたら3%程度縮みますので一度洗ってから裾上げしてください)をご説明できるレベルになって頂きたいものです。この知識は各社そう違いはありません(綿を毛とは言わない)ので、館全体の販売員知識としての教育は望まれているのです。
現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。
上記以外にも多々あるとは思いますが、「あるある」と同調されても、その後自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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