生地 雅之
今後のアウトレット
一般的に商業施設は立地や利便性の低い施設等は淘汰されていくのであり、好調の施設は今も伸び続けています。
日本のアウトレットの大半を展開している2社の一つの三井アウトレットパークの上位13施設の年間売上は約3300億円であり、前年比14%(約408億円)の伸びです。
また、三菱地所・サイモンのプレミアムアウトレットは9施設で年間売上は約3500億円であり、前年比2.6%(約90億円)の増加を見ています。
商業施設ですから、効率の悪い施設の見直しは当然であり、最近は増床ブームです。
売上が取れていなければ増床などできにくいのであり、数値の裏付けと実体(リアル)を目で見て、考えての予測が必要であり、どこかのアパレルの将来の予測とは現実は大きく異なり、常に環境変化に対応できる経営者の育成がすべてなのです。予測が当たるなら僅かの価格での書籍の出版などもったいないでしょう。
今後も百貨店の低迷を軸にアウトレットはますます伸びていくことでしょう。
百貨店顧客の衣食住すべてを百貨店で購入されている人はそう簡単にはアウトレット等には出向いていないのですが、3カテゴリーの衣料品を百貨店で取り込めていない人は流れているのです。ここを百貨店側が阻止し、正価以上の価値を見せられなければ今後も流れは止められないでしょう。
別途、日本のアウトレットは欧米とは異なり、色サイズが切れていると売上が取れないので、
割引率が高くても、ブランドのアウトレット専用商品がはびこるのです。
また、最近は百貨店グレードの割引率の高い商品のみでなく、安価なブランドが新規参入しており、一般的な駅前立地中心のFB(ファッションビル)や郊外のSC(ショッピングモール)のテナントまでが参入してきている事は、百貨店層以外の可処分所得の低下も否めない事実です。
これを見ても、まだまだ日本のアウトレットは欧米とは違った形での成長を遂げるのは「自明の理」です。イオンが百貨店に手を出さないで、イオンモールのアウトレットTRY(越谷、広島)はもっと早く広げるべきでしょう。セブン&アイのアリオ等も、、
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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