生地 雅之

2023 03 Apr

GMSの衣料品が何故まともではないのか?

最近、衣料品売上が低迷し、食品の安定とその他の絵画やリビング系の売上が向上し、全体の売上を支えている。百貨店やデベロッパーの売上も同様に推移している事を見ても、粗利率の高い衣料品の低迷が営業利益の圧迫を生み、食品中心では中々カバーもし難いのが実情です。データによると日本における衣料品の購入場所は、SC(FBを含む)が48%であり、GMSが32%もあり、ECの28%よりも高いのです(複数回答有)。

GMSにおいても同様で、過去から粗利率の低い食品の売上に寄っかかっていたので、中々営業利益率の高いビジネスモデルへの移行が出来ていないのです。業種やターゲットは違えど、衣料品のビジネスモデルをGMSは百貨店より学び、逆に食品のノウハウを百貨店はGMSより学ぶべきと提言してきたのです。

GMSの衣料品は買い取り中心のPBが中心であり、一部の委託・消化のGMSブランドの場貸しビジネス(リスクのない百貨店のコピー)では、利益も出ないのです。要は折角買取のPBでありながら、精度の低い解析での作りすぎ、売らない売場では残品多量に残り、処分に赤字を垂れ流ししているのです。

商品的にはまともなモノも多く(全部ではないが)、ユニクロよりも秀逸な商品も存在しているのです。単品はそれなりに商品化しているのに、売場の括り方(テースト編集)が妥当ではなく、また無人販売の徹底も不備が生じ、取れる売上もまともに取れていないのです。残念としか言いようのない事実なのです。

同じく、売場もイトーヨーカドーが「ライフスタイルストア」とネーミングした売場をたまプラーザや木場等に作ったら、イオンも「イオンスタイル」と銘打った売場をイオンモールやイオンリテール、イオンタウン等に導入し、どの点bン回h\ガスタンダードなのか判らない状況です。どちらも食品はなく、衣料品と住居関連商品を隣接させている程度で、テーストもバラバラなのです。この売場構築も残念至極の域を出ていないのです。

1.    まず自社のお客様を見る(そのお客様にこうあって欲しいとの提案)
2.    テースト軸別の商品構成(衣食住で1ブランド)、テーストは2~3程度に大きく区分
3.    そのテースト別の商品企画・生産・展開(販売実力の見極めと適正な生産数)
4.    テースト軸の売場構築(勿論、
無人販売=セルフ販売の徹底)
5.    売上が実力で、それ以上の期待はしない(売上が取れれば、消化率が上がるだけ)

「やった事が無い」「やれない」から「出来る」「やる」「やって見せる」への脱却が必要で、これは改革ではなく、既存の改善なのです。目標の設定と一歩踏み出す(前のめりの)姿勢がこれら「出来ない」から「出来る」への脱却が出来るのです。勿論、目標達成の適正な組織構築と人事配置、やるためのフロ-チャート(妥当なやりかた)の確認と、その実行に対する評価制度の設定と的確な信賞必罰の評価を明確にして進行すべきなのです。

例えば小売業はデータの宝庫でありながら、分析の角度が不足しているのです。「どのよう事をやりたいのか?」から「どのようなデータが必要なのか?」であり、それが決まれば、今あるデータで「必要な部分はどれで、不足な部分は?」を見極め、不足部分を確保し直すのです。

弊社の企業コンセプトの「お客様目線とプロの業」は売場・商品の課題を発見し、プロの業で改善・改革するのですが、お客様目線だけでは発見できません。お客様の立場で売場・商品を見るのですが、プロとして「何故買わないのか?」を見つけ、「手直し」を見つけて対応するのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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